ハワイ大学の経済研究所UHEROが、9月25日(ハワイ時間)に州の経済の新しい予測を出していて、2026年の伸びは0.6%という数字になっていました。去年の3.3%から大きく落ちる見立てで、理由は燃料の値上がりと、春から続いた嵐だそうです。私たちが読んでいて手が止まったのは、そんな中で観光を下支えしているのは日本からの旅行者だ、という一文でした。オアフに来る人の数や、泊まる日数の話も並んでいたので、順に読んでいきます。
Energy prices and 'parade of storms' weigh on Hawaiʻi economy: report
Hawaiʻi's real gross domestic product will likely increase by just 0.6% in 2026, down from 3.3% last year, the University of Hawaiʻi Economic Research Organization said.
Aloha State Daily | Storms and war, make for gloomy economic forecast, UHERO reports
State's economic future uncertain as interest rates and fuel costs soar.
Spate of storms batters forecast for state economic growth | Honolulu Star-Advertiser
Natural disasters in Hawaii this year are contributing to a big drain on the state economy, where growth is now projected to be its weakest since a 2020 contraction due to COVID-19.
ニュースのあらまし
UHERO(University of Hawaiʻi Economic Research Organization、ハワイ大学の経済研究所)は、四半期ごとにハワイ州の経済の予測を出しています。今回のものはUHEROのサイトに「No respite from storms or oil prices(嵐からも、石油の値段からも、ひと息つけない)」という題で出ています。添えられていた一覧表から、旅行者に関係がありそうな数字を抜き出すとこうなります。
| 項目 | 2025年 | 2026年(予測) | 2027年(予測) |
|---|---|---|---|
| 州の経済の伸び(物価の影響を除いたもの) | 3.3% | 0.6% | 1.6% |
| 州に空路で来る人の数 | 約965万人 | 約958万人(-0.7%) | 約979万人(+2.2%) |
| オアフ(ホノルル郡)に来る人の数 | -2.6% | -2.6% | +1.8% |
| マウイ郡に来る人の数 | +6.3% | +5.0% | +1.9% |
| カウアイ郡に来る人の数 | +0.7% | -6.4% | +10.3% |
| 旅行者が使うお金(物価の影響を除いたもの) | +2.7% | -1.6% | +2.3% |
| ホノルルの物価の伸び | 2.6% | 4.8% | 3.3% |
2027年と2028年は、燃料の値段が落ち着いて嵐の影響も抜けていくにつれて、少しずつ持ち直すという見立てです。来年のカウアイの+10.3%は、今年の落ち込みから戻る分が大きいのだろうと思います。
Honolulu Star-Advertiserの記事によると、州全体で今年来る人は前年より6万5,600人ほど少なくなる計算だそうです。
州の見通しは1.3%、UHEROは0.6%
ハワイの経済の予測は、州の産業経済開発観光局(DBEDT)とUHEROがそれぞれ出しています。州のほうは9月10日(ハワイ時間)に2026年の伸びを1.3%と見込んでいて、そのときの数字はこちらにまとめています。
同じ年の予測でも、出すところが違えば見立ても違ってくるのですね。UHEROのほうが一段慎重で、今年の伸びを0.6%としています。どちらが当たるかは来年にならないと分かりませんが、どちらも、今年は足踏みで来年から少しずつ持ち直すという向きは同じでした。
ホノルルの物価についても、UHEROは12か月前と比べた伸びが7月までで5.6%に達していて、2026年全体では4.8%、2027年には3.3%まで落ち着くと見ています。7月までの5.6%という数字は州の見通しに出ていたものと同じでした。
オアフに来る人は2.6%減、マウイは5.0%増
島ごとの数字を見ると、今年はずいぶん差がついています。
オアフ(ホノルル郡)は去年に続いて2.6%減る見込みです。一方でマウイ郡は5.0%増えるとされていて、UHEROによれば、マウイは観光の数字のほとんどで各島の先頭を走っているそうです。年初からの訪問者が8%以上増え、ホテルの稼働も6ポイント高いとのことでした。
カウアイは6.4%減です。UHEROは、9月にハリケーン・ロウエルがカウアイをかすめたことで、今年のカウアイに来る人が6%以上減るとしています。ロウエルのあとは郡が旅行者に戻ってきてほしいと呼びかけていましたが、年間の数字にはやはり出てくるのですね。
ワイキキに泊まって、ワイキキとアラモアナのあたりで過ごす私たちからすると、オアフの2.6%減はいちばん身近な数字です。とはいえ、これが街の混み具合としてどのくらい感じられるものなのかは、実際に行ってみないと分からないなぁ、というところです。
観光を下支えしているのは、日本からの旅行者だそうです
いちばん目に留まったのがここでした。UHEROは、アメリカ国内からの旅行の勢いが弱いなかで、観光の伸びを支えているのは日本からの旅行者だとしています。
| 市場 | UHEROの説明 |
|---|---|
| アメリカ本土 | 今年、1日あたりにハワイにいる人数で見ると、東海岸はやや増えたが、西海岸の大きな減少を埋めきれていない |
| 日本 | 年の半ばまでで4%以上の増加。去年より伸びが加速 |
| カナダ | 上半期に3%減(2年続いた減少がさらに続く) |
| その他の海外 | 2ケタの減少(2025年のはじめから続く流れ) |
ただし日本からの人数は、コロナ前のまだ半分ほどの水準だそうです。半分まで戻ったところで伸びている、というのが今の姿のようです。
カナダについては、為替の動きや関税をめぐる対立、国境をはさんだ緊張のなかでアメリカ全体から足が遠のいている、という説明でした。海外からの客はアメリカ本土でもコロナ前に戻りきっていないものの、ハワイのほうがどの国からの客も戻りが遅れている、とも書かれています。
ちなみに9月から11月にかけての日本発の予定座席は、州の見通しのほうで12.9%減るとされていました。上半期の話とは時期が違うので、並べて何かを言うのはやめておきます。秋に行く予定のある方は、空席だけ早めに見ておくと気が楽かもしれません。
7月は来た人が1%増えて、泊まった日数は13%減
もうひとつ、数字としていちばん不思議だったのがこれです。UHEROによれば、7月は来た人の数が前年より1%増えたのに、泊まった延べ日数は13%減っていて、1人あたりの滞在が14%短くなった計算になるそうです。
UHEROはこの開き方について、35年分のハワイの観光統計を見ても、コロナ明けの時期を除けば似た例がないとしています。来た人の数と泊まった日数の関係がここまで崩れていると、2つの数字をつじつま合わせするのが難しい、という書き方までしていました。さらに、滞在日数の振れ方が大きすぎるので、公式の統計の取り方そのものに問題があるのかもしれない、とも添えています。なので、この13%減をそのまま「旅が短くなった」と受け取るのは、ちょっと早いのかもしれません。
その結果、1日あたりにハワイにいる旅行者の数は、今年を通して6%以上減る見込みだそうです。人数はほとんど減っていないのに、島にいる旅行者の数としては目に見えて減る、ということですね。
1回あたりを短く切り上げる旅が増えているという話は、5月の平均滞在が、少なくともここ7年でいちばんの短さになっていたときにも出ていました。7月の数字は割り引いて見るとしても、短くなる向きは5月の数字にも出ていました(こちらも同じ州の統計なので、どこまで確かかは同じく割り引きが要りそうですが)。
我が家は1回の滞在を25泊くらい取るので、この流れとは逆を歩いていることになります。短い旅を何度も繰り返すより、1回を長くしたほうが飛行機代も含めて効率がいい、と考えているからなのですが、世の中はそうでもないのだなぁ、と思いました。
燃料の値上がりと嵐が重なった1年
UHEROは、今年のハワイの観光には2つの向かい風があったとしています。
燃料の値段
1つ目は燃料です。UHEROの説明では、2月末に始まったアメリカとイスラエルによるイランとの戦争でホルムズ海峡が閉ざされ、ジェット燃料の値段が跳ね上がりました。太平洋を渡る路線では燃料の上乗せが増え、アジアからの便もさらに減らされた、とのことです。航空券が高くなったうえに、旅行の計画を立てる気持ちそのものも弱まった、という見方でした。
我が家のハワイ行きはマイルで取っていますが、特典航空券でも燃油サーチャージは別に払うので、ここが上がると素直に効いてきます。マイルがあれば全部タダ、というわけではないのですよね。
嵐の続いた春から秋
2つ目が嵐です。3月にはコナ・ロー(冬から春にかけてハワイの近くで発生する低気圧)が2回続けて島々を通り、便が止まって、主な観光地も閉まりました。そこから9月のハリケーン・ロウエルまで、UHEROは今年を「嵐のパレード」と呼んでいて、3週間のあいだにハリケーンが2つ来たことにも触れています。観光だけでなく、地元のお店や学校の休み、家の被害、大きな復旧費用にまでつながった、という書き方でした。
Hawaii Public Radioによれば、UHEROのCarl Bonhamさんは、ハワイは嵐に打たれ続けている、といった内容のコメントを出しています。Star-Advertiserの記事では、10月にまた嵐が来て旅行の予定がひっくり返らないと、どうして言い切れるのか、といった内容の発言も紹介されていました。
秋はまだハリケーンの季節の途中なので、この言葉はそのまま旅行する私たちにも当てはまるなぁ、と思います。
私たちの滞在は、この数字でどう変わりそうか
数字を一通り読んでみて、我が家の滞在の中身が大きく変わりそうなところは、実はあまりありませんでした。
朝は部屋のキッチンでライオンコーヒーを淹れて、フルーツで軽く済ませる。昼は食べない。午後3時か4時になったら窓を開けて、冷えたビールを1本目から始める。ビールやフルーツの買い出しは、歩いて行けるロングスとワイキキマーケットで足りています。物価が4.8%上がる見込みと聞いても、外食の回数がもともと多くないので、効き方は小さめだろうと思います。
気にしておきたいのは2つです。1つは航空券で、燃油サーチャージが上がっているあいだは、マイルで取る場合でも払う額が増えます。もう1つは嵐で、秋に出かけるなら、出発前に中部太平洋ハリケーンセンターの発表を一度見ておくくらいの準備はしておこうと思います。
オアフに来る人が減るというのは、現地のお店にとっては嬉しくない話です。私たちは長く泊まって、ロングスでビールを買って、たまにテイクアウトをして、というくらいしかできませんが、それでも行けるうちは行こう、というのが二人の考えです。
まとめ
今回の予測を短くまとめると、こうなります。
- UHEROが予測する2026年のハワイ経済の伸びは0.6%(去年は3.3%)
- 州全体に来る人は0.7%減、オアフは2.6%減、マウイは5.0%増、カウアイは6.4%減の見込み
- 観光を支えているのは日本からの旅行者で、上半期は4%以上の増加(コロナ前の半分ほどの水準)
- 7月は来た人が1%増えたのに、泊まった延べ日数は13%減(UHEROは統計の取り方の問題も疑っている)
- ホノルルの物価の伸びは2026年に4.8%、2027年に3.3%の見込み
ここに並べた数字は、2026年9月25日(ハワイ時間)にUHEROが出した予測と、それを伝えた3本の記事の内容です。あくまで予測なので、この先の燃料の値段や嵐しだいで変わります。航空券や旅行の予定に関わるところは、各社の公式の案内で確かめてください。











