ハワイの食料品はどこまで上がったのか ― 全米は2019年から33%高、ひき肉は79%高。ホノルルはそれより速いペース
スーパーの値札がじわじわ上がっている、というのはどうやら気のせいではなかったようです。アメリカの都市部の食料品の平均価格は2019年の初めから33%上がったそうで、その前の7年半が6.4%だったと聞くと、たしかにここ数年だけ角度が違います。しかもホノルルの食料品は1980年代以降ずっと、全米の平均より速いペースで上がってきたとのこと。ハワイに行くと部屋で飲み食いすることが多くて、滞在中はほとんど毎日どこかのスーパーに寄っている私たちには、なかなか身に覚えのある数字でした。
ニュースのあらまし
High Grocery Bills Burden Shoppers In Hawaiʻi And Beyond
Americans across the country are changing their eating and shopping habits.
ホノルル・シビルビートが2026年7月27日に出した記事で、アメリカ全体の食料品の値上がりと、それに合わせて人々の買い物のしかたが変わってきている、という内容です。
いちばんはっきりしている数字が、アメリカの都市部の食料品の平均価格が2019年の初めから33%上がったという点。その前の7年半は6.4%の上昇だったので、ここ数年で急に坂がきつくなった形です。品目で目立つのはひき肉で、6月時点で1ポンド6.82ドル、2019年の初めより79%高になっています。
そしてハワイの話として、ホノルルの食料品価格は1980年代以降、全米平均より速いペースで上がってきたと、政府の統計をもとに書かれていました。値上がりの背景に挙げられているのは、コロナ禍で物流が混乱したこと、人件費と輸送費、干ばつやハリケーンや鳥インフルエンザ、コーヒーやトマトといった輸入品にかかる関税、それに紛争の影響を受けた燃料や肥料の値段です。ハワイならではの事情としては、島から島へ物を運ぶ費用が高騰していることも書かれていました。燃料が上がっていることに加えて、島の間の輸送をほぼ一社で担っている Young Brothers の経営が不安定になっている、という話です。
ひき肉が79%高、というのが地味に効いてきそう
記事に出ていた値段を並べると、こんな具合です。
| 品目 | 今の値段 | 前は |
|---|---|---|
| 食料品全体(アメリカの都市部の平均) | ― | 2019年初めから33%高 |
| ひき肉 | 1ポンド 6.82ドル(6月) | 2019年初めより79%高 |
| 地元産のイチゴ・ブルーベリー | 1ポンド 11ドル | 2024年は7.99ドル |
| 牛乳 | 1ガロン 9ドル | ― |
| チャックロースト(牛の肩肉) | 1ポンド 10ドル | 7.99ドル以下 |
下の3つは、記事に登場するカネオヘ在住の方が地元のスーパーで見ている値段です。全米の平均ではなく、あくまで一人の買い物の実感として出てくる数字ですが、こうして具体的な値札の話になると急に体温が出てきますね。
我が家は部屋で分厚い肉を焼いたりしないので、ひき肉をパックで買うことはまずありません。ただ、ハワイで食べているものを思い浮かべると、バーガーはかなりの頻度で出てきます。ベティーズ・バーガーやHIバーガーで買って帰るあの一個も、値段が年々ちょっとずつ上がっている印象がありました。材料のひき肉がこの角度で上がっているのなら、そういうことなんだろうなと思います。
ホノルルは1980年代からずっと、平均より速く上がってきた
今回いちばん「へえ」と思ったのは、33%という直近の数字よりも、ホノルルの食料品が1980年代からずっと全米平均より速いペースで上がってきた、という部分でした。ここ数年の話ではなくて、40年くらい続いている流れだということになります。
理由は考えてみればわかりやすくて、ほとんどのものを船か飛行機で運んでくる場所だからでしょう。今回の記事では、そこにさらに島から島への輸送費の高騰が乗っていると書かれていました。オアフに着いた荷物がさらに別の島へ渡るなら、その費用がそのまま値段に乗ってくるのは自然な話です。
私たちが行くのは、長くても1回の滞在で25泊くらい。その間だけスーパーに通う立場です。数字が上がったと言っても、そこで暮らしている方が毎週これと付き合っているのとは重さがまるで違います。今回の記事を読んで、そこはきちんと分けて考えておきたいなと思いました。
地元の方は「買う店を変える」で向き合っている
記事に出てくるカネオヘのペストリーシェフの方(28歳)の話が具体的でした。地元産のものを使いたいのに、イチゴやブルーベリーは1ポンド7.99ドルだったのが今は11ドル、牛乳は1ガロン9ドル、チャックローストは7.99ドル以下だったのが10ドル。「フードランドは地元の人には手が届かない」と話していて、今はターゲットやタイムズ・スーパーマーケットで買うようにしたそうです。
記事全体でも、クーポンや割引アプリを使う、いつものメーカーからお店の自社ブランドに替える、いくつかの店を回って値段を見比べる、といった動きが並んでいました。
これを読んで、少し考え込んでしまいました。私たちがワイキキで食料を買うのは、たいていワイキキマーケットです。フードランドと同じ系列のお店で、そこを選んでいる理由は単純に、歩いて行ける場所にあるから。値段だけを見て決めていたら、たぶん違う答えになっていたと思います。それでも重いビールやワインを抱えて帰ることを考えると、近いかどうかはどうしても外せません。
ターゲットも我が家はときどき使います。安く買えるセロリが好きで、まとめ買いの日に寄ることがあるお店です。その同じ名前が、値段を切り詰めるための行き先として記事に出てきたのは、なんだか不思議な感じがしました。
変えた買い方と、変えていない買い方
値上がりのニュースを読むと何か手を打たないといけない気になりますが、振り返ってみると、我が家が実際に変えたことはそんなに多くありません。
はっきり変わったのは水です。以前はスーパーでペットボトルの水をまとめ買いしていたのですが、今は日本から浄水ポットを持って行って、部屋の水道水を濾して飲んでいます。きっかけは値段ではなく重いものを運ぶのが面倒だったからで、出費が減ったのは後からついてきた結果でした。
逆に、変えていないことのほうが多いです。ワインは10ドル前後のボトルを選んで、ロングスドラッグスで4本か6本まとめると15%引きになるので、それに合わせて買う。ビールはロングス、ターゲット、ワイキキマーケットの値段を見比べて、コナブリューイングのビッグウェーブを箱で買う。このあたりは物価が上がってもほとんど変わっていません。
そもそも値段を見比べること自体、うちにとっては半分くらい楽しみでやっていることです。スーパーを歩き回るのは滞在中のちょうどいい運動でもあって、部屋から出る口実にもなっています。ただ、今回の記事に出てくる方々は同じことを毎週の暮らしとして続けているわけで、同じ「店を回る」でも意味合いはずいぶん違うよなあ、と静かに思いました。
次の滞在の買い出しで覚えておきたいこと
次にハワイへ行っても、買い出しのしかたは大きく変わらないと思います。歩いてすぐのロングスと、少し歩いたワイキキマーケット。ときどきターゲット。それで足りてしまいます。
ただ、何がどれくらい上がっているのかを一度知っておくと、棚の前に立ったときの見え方が少し変わります。「全体的に高いなあ」で終わらせずに、「肉のほうがよく上がっているらしいから、今日は焼き魚を買って帰ろうか」くらいの話ができるようになる。それだけでも買い出しはまた少し面白くなります。スーパーの魚売り場は7月から生鮮アヒの産地表示が始まったところでもあるので、値札と一緒に眺めるものが増えた気もします。
為替のほうも相変わらずで、その話は1ドル161円台をつけたときにも書きました。値段の話ばかりしていると気が滅入りそうですが、結局のところ、部屋でビールとワインを開けて「これ美味しいね」と言い合えていれば、私たちの滞在はだいたい成立してしまいます。何をどこで買っているかはハワイのスーパーで買うものにも書いてあるので、値札を眺めるのが好きな方はそちらもどうぞ。
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