工事の足場とクレーンが見える大きな会議場の屋上と、その向こうに広がるワイキキの空
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ハワイ・コンベンションセンターの屋上の修繕に新たな遅れのおそれ ― 観光局は工期の延長と費用の増加の可能性を見込むと議会に説明【2026年10月】


ワイキキからアラワイ運河を渡ったところにあるハワイ・コンベンションセンターで、雨漏りしていた屋上テラスの修繕に、また遅れと費用の上ぶれが出そうだと、ホノルルの新聞が10月19日付で伝えました。屋根をはがしてみたら、傾きが建てたときの図面と違っていたそうです。この建物は、私たちの滞在先からなら歩いて行ける距離にあって、この夏から秋にもフェスティバルやスポーツの大会の会場として何度も名前を見かけていました。それだけに、工事の行方は我が家にとっても少し気になる話です。この記事では、新聞が伝えた遅れの理由と、修繕が先送りされてきた経緯、この先の会議や催しへの影響を並べて、最後に私たちが思ったことを書いています。

ニュースのあらまし

ホノルルの新聞スター・アドバタイザーが10月19日付で伝えた内容を、ざっくりまとめるとこうなります。

Hawai‘i Convention Center’s $108.7M repair project faces delays | Honolulu Star-Advertiser

Hawai‘i Convention Center’s $108.7M repair project faces delays | Honolulu Star-Advertiser

The $108.7 million effort to repair the Hawai‘i Convention Center’s leaking rooftop terrace could face new delays and cost increases after demolition uncovered conditions that differ from the original building plans, forcing engineers to revisit portions of the project.

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Honolulu Star-Advertiser
  • ハワイ・コンベンションセンターの雨漏りしていた屋上テラスを直す工事(事業費1億870万ドル、記事による)に、新たな遅れと費用の増加が出るおそれがある
  • ハワイ州観光局(HTA)の財務担当の副社長 Talon Kishi さんが、州議会の議員への説明で、許可の遅れ、資材や業者の手配の問題、予想していなかった現場の状態があったと話した
  • 工事を請け負う Swinerton からは、工期の延長と追加の支払いを求める申し立てが6件出ていて、観光局は情報が足りない・内容に食い違いがあるとして退けた
  • それでも、工期への影響や費用の増加、遅れの責任がどこにあるかは、10月末までに決める見込み。観光局は11月中旬までに議会へ報告する予定

Kishi さんは「ある程度の工期の延長と、費用の増加の可能性を見込んでいる」といった内容のコメントをしていて、ただし今のところ求められている額は、用意してある予備費(1,190万ドル、記事による)を十分に下回っているとも話していたそうです。

屋根をはがしてみたら、図面と違っていた(と観光局)

遅れの理由として記事でいちばん詳しく書かれていたのが、解体を始めてから分かったことでした。

Kishi さんによると、技術者が調べたところ、屋根の傾きが建てたときの図面と違っていたそうです。屋根の傾きは水はけと構造の設計に関わるので、技術者が設計の一部を見直すことになったとのこと。「図面に描かれていた傾きが、実際の現場とは違っていた」といった内容のコメントも出ていました。

さらに、屋根の層をはがしていくと、予想していなかった鉄骨の部材も見つかって、作り直しの計画を引き直したり、追加で調べたりする作業が出てきたそうです。工事の会社がいま出している工期への影響の分析は、5月から8月までの分で、どれも解体を始めてから見つかったことが中心になっていると伝えられています。

観光局の暫定の代表を務める Caroline Anderson さんは、天気の影響もあると話していて、「雨が降ると工事を止めなければならないときがある」といった内容のコメントをしています。屋根の上の工事なので、雨の日に止まるのは想像しやすい話ですね。

2,000万〜2,500万ドルと見られた修繕が、1億870万ドルの作り直しに(総支配人の話)

読んでいて考えさせられたのは、ここまで大きな工事になった経緯のほうでした。

コンベンションセンターの総支配人 Teri Orton さんの話では、これまでの運営会社も、いまの運営会社 Legends Global も、手入れや設備の工事をたびたび勧めてきたそうです。ところが、その間に建物を作り変える案や予算の行き違い、観光局の予算の事情が重なって、話が止まってしまったとのこと。

記事に出ていた経緯を並べると、こうなります。

出来事記事に出ていた内容
屋上を使う案その1ハワイの音楽と踊りのための施設(Center for Hawaiian Music and Dance)を屋上テラスに作る案。これで修繕が先送りに
屋上を使う案その2続いて、建物の上にホテルを建てる案。これでも修繕が先送りに
もうひとつの先送り観光局に予算がつかないかもしれない、という理由での先送り
修繕の見積もりかつては2,000万〜2,500万ドルほどと見られていた
いまの事業費1億870万ドルの作り直しの工事に(予備費1,190万ドルを含む)

Orton さんは「ずっと先送り、先送り、先送りだった」といった内容のコメントをしています。その間に雨漏りはひどくなって、館内のあちこちにゴミ箱を置いて雨漏りを受けていた時期もあったそうです。嵐のときには会議室をいくつか貸し出せなくなったり、催しの主催者に、途中で雨漏りがあるかもしれないと前もって伝えたりしていたとのこと。「雨漏りする建物を予約したい人はいない」といった内容の Orton さんの言葉は、短いだけに重く聞こえました。

Anderson さんも、いまの問題は今の工事の会社のせいではないと話したうえで、「家だって手入れをして直しておかないと、いろいろ起きてくる」といった内容のたとえをしていたそうです。家の手入れを後回しにしていると、気づいたときには大ごとになっている、というのは、どこの家でも身に覚えがありそうな話ですね。

議員の受け止めと、観光局やセンターが考えている手

議会では、下院の観光委員会の委員長でワイキキ選出の Adrian Tam さんが「また遅れるかもしれない、というのは本当にもどかしい」といった内容のコメントをしています。会議を開く主催者からすると、工事の事情なのか管理の問題なのかは区別がつかないので、遅れが続くとハワイが約束どおりに進められるのかという評判に響く、という心配も話していたそうです。

Tam さんは、工事が長引いても会議をハワイに留めておけるよう、コンベンションセンターの使える場所やほかの会場を使う手を考えてほしいと求めていました。これに対して観光局とコンベンションセンターが挙げていた手は、こんなところです。

  • 工事が終わった部分の建物を使う
  • ホテルやほかの会場と組む
  • 工事の時間を1日のうちで延ばしたり、祝日にも作業をしたりする(遅れを取り戻す手として Orton さんが話したもの)

Anderson さんは、遅れが出ても、影響を受けるのは屋上を使う予定だった団体に限られる見込みだと話しています。話し合いの大事な点のひとつは、屋上テラスの工事が実質的に終わる日をはっきり決めることだそうです。

2028年に向けた会議の予約の話

この話が出たのは、ちょうど観光の関係者がラスベガスで開かれた会議の見本市 IMEX America に出ていた週でした。ハワイの売り込みの担当者たちは、改修が終わったコンベンションセンターには屋上に新しく使える屋外の会議の場所ができて、2028年の再開のときには大きな会議を迎えられる、と会議の主催者たちに伝えていたそうです。

ハワイ・ビジターズ・アンド・コンベンション・ビューロー(HVCB)で会議の誘致を率いる Lynn Whitehead さんの話として、記事に出ていたのはこんな内容でした。

項目記事に出ていた内容
2028年の大きな会議街全体に人が来る規模の催しを7件確保。経済効果は1億5,300万ドルと見込む
2030〜2033年の予約目標を上回るペースで入っている
影響が出そうな範囲屋上の会場と、2028年3月までに予定されている会議に限られる見込み

Whitehead さんは「遅れがどれくらいになるかはまだ分からないが、契約している2028年の団体はどれも予定どおり開けると考えている」といった内容のコメントをしています。

一方で、工事のために建物をふだんどおりに使えない期間(記事では modified closure と呼んでいます)は、当初の1年から2年近くに延びていて、その時点で、会議の業界からは州全体で1億ドルを超える経済の動きを失うおそれがあると心配する声が出ていたそうです。すでにたくさんの催しが会場の変更や日程の組み直しをしていて、大きなところでは、国際ロータリーが2027年に戻ってこないことを決めたとも伝えられていました。工事が新しい予定よりさらに延びるかもしれない、という心配からだったそうです。

歩いて行ける建物として、私たちが思ったこと

コンベンションセンターは、私たちが会議で使うような建物ではありません。それでも、この夏から秋にかけては、メイド・イン・ハワイ・フェスティバルやオキナワン・フェスティバル、ピックルボールの大会の会場として、この建物の名前を何度も見かけていました。オキナワン・フェスティバルは、会場の改修に合わせて今年は催しを小さくしていたと伝えられていたので、工事の影響はこういう形でも出ていたんだなぁと、今回の記事を読んで改めてつながりました。

今回の話で影響が出そうだとされているのは、屋上の会場と、2028年3月までの会議です。旅行で来る私たちのように、建物の中で開かれるフェスティバルや大会を見に行く立場の人にどう響くのかは、記事には書かれていませんでした。この先、この建物で開かれる催しに行く予定のある方は、主催者の案内で会場や日程が変わっていないかを確かめておくのが確実だと思います。

もうひとつ思ったのは、大きな会議がワイキキの街にとってどれだけ大きいか、ということでした。会議が来ると、ホテルやレストランや観光地まで人でいっぱいになると記事にも書かれていて、ロータリーのような大きな集まりが来るか来ないかで、同じ時期のワイキキの様子も変わるのかもしれません。混み具合が気になる私たちとしては、どの年にどんな会議が来るのかを、少しだけ気にしておいてもいいのかなと思いました。

それにしても、総支配人の話では2,000万〜2,500万ドルと見積もられていた修繕が、先送りを重ねるうちに1億ドルを超える作り直しになった、という話は、規模は違っても身近に感じます。屋上ができあがったら、屋外で会議や催しができる場所になるそうなので、カラカウア通りから見上げたときにどんな姿になっているのか、次の滞在で通りかかることがあったら見てみたいと思います。

まとめ

  • ハワイ・コンベンションセンターの雨漏りしていた屋上テラスの修繕(事業費1億870万ドル、記事による)に、新たな遅れと費用の増加が出るおそれがあると、10月19日付の地元の新聞が伝えました
  • 理由は、許可の遅れ、資材や業者の手配の問題、解体してみたら屋根の傾きが図面と違っていたこと、予想していなかった鉄骨、雨による中断など
  • 工期や費用への影響と遅れの責任は10月末までに決める見込みで、観光局は11月中旬までに議会へ報告する予定です
  • もとは2,000万〜2,500万ドルほどと見られていた修繕が、先送りを重ねるうちに今の規模になったと総支配人は話しています
  • 会議の誘致の担当者は、影響は屋上の会場と2028年3月までの会議に限られる見込みで、2028年の大きな会議は予定どおり開けると考えているそうです

ここに書いた数字や見通しは、10月19日付の新聞の記事にもとづくものです。工期や費用がどうなるかは、10月末の話し合いと11月中旬の議会への報告で変わりうるので、この建物で開かれる催しに行く予定のある方は、主催者や会場の案内で最新の情報を確かめてみてください。

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