ワイキキの西の端、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジにも近いエナ・ロード(Ena Road)沿いにある市の建物が、取り壊されることになりました。ホノルル市の案内では、本格的な解体は10月26日の週から2027年2月末までの予定です。跡地には、ワイキキで働く人たちが住める住まいを建てる計画があるそうです。工事の音が気になる私たちとしては、まず「いつ、どの時間帯にやるのか」が知りたくて、市の案内と地元紙、そして建物のこれまでを伝えた記事まで読んでみました。我が家はこの建物とは縁のないまま来ましたが、ワイキキの中で古い建物が一つ消えて、何年か先にずっと高い建物が立つという話は、ワイキキの景色が少しずつ変わっていく話として気になりました。
Aloha State Daily | City preps for demo in Waikīkī as former Dee Lite Bakery site gets…
The City and County of Honolulu is clearing the way for affordable housing on O‘ahu, preparing to begin the demolition of 436 Ena Road in Waikīkī this…
Why Everybody Had To Move Out Of This Affordable Housing Project - Honolulu Civil Beat
The problematic Waikiki building is an example of the challenges facing the city in its effort to provide homes for low-income families and homeless people.
ニュースのあらまし
地元のニュースサイト Aloha State Daily が10月13日に伝えた記事によると、ホノルル市は手頃な家賃の住まいを増やす取り組みの一つとして、ワイキキの436 Ena Roadにある建物の解体に入る準備を進めています。この建物は1990年代の初めに建てられ、のちに住まいとして使われるようになり、2023年までは市が手頃な家賃の賃貸住宅として使っていたと、市の過去の発表が引かれています。
解体の段取りは、市の住宅・土地管理局(DHLM)が10月6日付で出した解体の案内に載っています。
- 9月21日の週: 足場を組んで、現場をフェンスで囲う
- 10月2日の週: 解体の重機を運び込む
- 10月26日の週から2027年2月末まで: 建物の本格的な解体
工事を受け持つのは R.H.S. Lee, Inc. という会社で、すでに現場に入っているとのことです。
市の案内を読むと、ポイントはこの3つでした。
- 工事はすべて「標準的な工事時間(standard construction hours)」の中で行う
- 現場は、工事のあいだずっと安全のためのフェンスで囲われる
- 問い合わせ先は、電話 (808) 768-4277 か [email protected]
市の住宅・土地管理局のケビン・オーガー(Kevin Auger)局長は、Aloha State Daily の取材に対し、「多くの人が働いているのに、暮らすのはどんどん難しくなっているこの地域に、働く人のための住まいをつくる機会になる」といった内容のコメントを出しています。
解体の予定を表にすると
市の案内に出ていた日程を、表にまとめておきます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 9月21日の週 | 足場の設置、現場をフェンスで囲う |
| 10月2日の週 | 解体用の重機の搬入 |
| 10月26日の週〜2027年2月末 | 建物の本格的な解体 |
(表はすべて、市の住宅・土地管理局の案内による)
案内には「標準的な工事時間」とだけあって、具体的に何時から何時までかは書かれていませんでした。歩道や車線の規制についても、10月6日付の案内と10月13日の記事には出ていません。近くを通る予定のある方や、近くのホテルに泊まる方で気になる場合は、上の問い合わせ先で確かめるのが確実です。
エナ・ロードってどのあたり?
エナ・ロードは、ワイキキの西の端あたりを通る道で、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジのある一角にも近いところです。アメリカの食事が続いて胃が疲れたときに、あっさりしたフォーを食べに行ったベトナム料理のフォーミンスー(Pho Minh Thu)も、住所はエナ・ロード(478 Ena Rd)でした。
とはいえ、今回の建物が通りのどのあたりにあるかまでは、私たちも地図で番地を眺めたくらいで、建物そのものの印象はありません。
建物のこれまで ── 2023年に住む人がいなくなった
この建物のこれまでは、地元の調査報道サイト Honolulu Civil Beat が2023年9月に詳しく伝えていました。
- 8階建てで、ワンルームの部屋が33戸
- 市が2018年4月に750万ドルで買い取った
- 収入の少ない人や、家を失った人の住まいにする計画だった
- 屋根の雨漏り、スプリンクラー、エレベーター、バリアフリーの手直しなど、直すところが多かった
- 2023年の初めに、市は必要な修理が大きすぎると判断し、残っていた12人の入居者はほかの物件へ移った
記事が出た2023年9月の時点では空き家のままで、この先どうするかは決まっていなかったそうです。そこから話が進んで、2025年7月に開発を優先して交渉する相手として EAH Housing が選ばれ、今回の解体につながった、という流れになります(選ばれた時期は Aloha State Daily の記事による)。
買ったときは住まいとして使うつもりだった建物が、直しきれずに空いてしまい、結局建て替えになる。古い建物ならそういうこともあるかぁ、と受け止めつつ、ここで暮らしていた人たちは引っ越しが大変だっただろうなと想像しました。
跡地には29階建て・125戸の住まいの計画
開発を受け持つ EAH Housing のエナ・ロードの計画のページには、計画の中身が載っています。
| 項目 | EAH Housing の案内 |
|---|---|
| 建物 | 29階建て |
| 戸数 | 手頃な家賃の住まい125戸 |
| 部屋の種類 | ワンルーム、1ベッドルーム、2ベッドルーム |
| 誰のための住まいか | ワイキキとその周りで働く世帯 |
| 工事の始まり | 2029年の見込み |
| 完成 | 2031年の見込み |
| いまの段階 | 計画づくりの段階(Pre-Development) |
8階建ての建物が、29階建てになる計画です。完成の見込みは2031年なので、まだかなり先の話です。家賃の水準や、どのくらいの収入の人が入れるのかは、このページには書かれていませんでした。
ワイキキで働く人が近くに住めるということ
ワイキキに滞在していると、ホテルの部屋をきれいにしてくれる人、レストランで料理を運んでくれる人、ABCストアのレジの人、いろんな人の仕事に支えられているんですよね。その人たちが遠くから通っているのか、近くに住んでいるのか、これまであまり考えたことがありませんでした。
市の局長のコメントにあるように、ワイキキは働く人が多いのに住むのは難しい場所、というのはなんとなく分かる気がします。ホテルが並ぶ真ん中で家を借りるとなると、家賃は相当なものだろうなと想像します。働く場所の近くに住めれば、通勤の時間も減ります。29階建てのうち125戸が全部そういう人たちの住まいになるなら、ワイキキの景色の見え方も少し変わりそうです。
チップの習慣には10年以上通ってもまだ慣れない私たちですが、部屋を整えてくれる人やお店の人の暮らしが少し楽になる話なら、素直にいいなぁと思います。
工事の音について、私たちが思うこと
ワイキキの夜のサイレンや車の音は、正直いまだに慣れていません。寝るときはエアコンも切って、少しでも静かにしているくらいです。なので工事のニュースを見ると、まず「夜もやるのかな」が気になってしまいます。
今回は市の案内に「標準的な工事時間の中で行う」とあるので、夜中まで続く工事ではなさそうだな、と少しほっとしました。音がどのくらい周りに届くかは、案内からは分かりません。私たちは滞在先で、カラカウア通りからなるべく遠い部屋をお願いしているくらいなので、もしこのあたりに泊まる予定があって音が気になる方は、予約のときに「通りや工事現場から離れた部屋を」と一言添えておくと安心かもしれません。
同じ記事に出てきた、もう一つの解体現場
10月13日の Aloha State Daily の記事では、ワイキキの話の前に、カリヒ(Kalihi)の解体現場のことも伝えていました。
- 場所は、パン屋さんだった旧ディーライト・ベーカリー(Dee Lite Bakery)の跡地(1930 Dillingham Blvd. と 1907 Eluwene St.)
- 市が2019年に約840万ドルで買い取った土地
- 解体はほぼ終わりに近づいている
- これからできる鉄道スカイラインの Mokauea 駅の向かいで、駅の近くの手頃な家賃の賃貸住宅にする構想
- 戸数は、市の局長のコメントでは「おおよそ150戸を見込める」とのこと
- こちらも EAH Housing が交渉相手に選ばれていて、細かい計画や工事の時期はまだ決まっていない
カリヒは私たちの普段の行き来から離れたエリアなので、こちらは「同じ時期にこういう動きもあるんだな」と眺める感じです。
まとめ
- ワイキキのエナ・ロード沿い、436 Ena Road の市の建物は、市の案内では10月26日の週から2027年2月末まで本格的な解体の予定
- 工事は標準的な工事時間の中で行い、現場はフェンスで囲われる。具体的な時間帯や歩道の規制は案内に出ていない
- 跡地は、開発を受け持つ EAH Housing の案内で29階建て・125戸の住まいの計画。完成は2031年の見込み
- 気になることがあれば、市の住宅・土地管理局(電話 (808) 768-4277)へ
日程は、2026年10月17日に市の住宅・土地管理局の案内と Aloha State Daily の記事で確かめたものです。工事の日程は変わることがあるので、近くを通る・泊まる予定のある方は、行く前に市の案内を見ておくと確実です。何年かしてエナ・ロードを通ったとき、ここにどんな建物が立っているのか、ちょっと楽しみにしておこうと思います。











