午後のワイキキの砂浜と波打ち際、手前のベンチにノートパソコンと冷えた缶ビール
執筆・編集:

ハワイの観光税「グリーンフィー」の使い道、アイデアを集める窓口が開いた ― 11月1日締め切り・ワイキキの名前が付いた案も並んでいた【2026年10月】


ハワイのホテル代にのってくる宿泊税(TAT)のうち、引き上げられた分にあたる「グリーンフィー(Green Fee)」の使い道について、州の評議会がネットでアイデアを集める窓口を開きました。地元のニュースサイトが現地10月21日に伝えていて、州の公式サイトによると、11月1日午後11時59分までに届いた投稿が次の推薦づくりに使われるそうです。私たちも滞在のたびにこの宿泊税を払っているので、自分たちが払ったお金がどこに回るのかは、やっぱり気になります。窓口をのぞいてみると、ワイキキの名前が付いた案もいくつか並んでいました。この記事では、窓口でできること、使い道が決まるまでの流れ、一覧で目に留まった案、それから私たちが読んで思ったことを順に書いていきます。

ニュースのあらまし

ハワイのニュースサイト、アロハ・ステート・デイリーが伝えた内容をまとめると、こうなります。

Aloha State Daily | What should we do with Green Fee funds?

Aloha State Daily | What should we do with Green Fee funds?

State opens website to solicit public recommendations for projects to be funded by the Green Fee.

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Aloha State Daily
  • グリーンフィーの使い道を州知事に推薦するグリーンフィー諮問評議会が、市民がアイデアを投稿できるオンラインの窓口を開いた
  • 投稿できるのは、環境の保全・気候や災害への備え・持続可能な観光の3つの分野のどれかに入る案。ほかの人の投稿に賛成の票を入れることもできる
  • 評議会の議長 Jeff Mikulina さんは、投稿したからといって予算がつく保証はないと話した。昨年は市民や州の部局から数百件の案が集まり、合計の予算は20億ドルを超えたため、実際の税収に合うよう絞り込む必要があったそうです(記事による)
  • 評議会は、予算がついたらすぐに取りかかれる案を推薦しやすいとのこと
  • 締め切りの11月1日を過ぎても窓口は開いたままで、それ以降の投稿は次の予算の回で検討されることがある

評議会のメンバーの Carmela Resuma さんは、評議会の資金の優先順位と地域の優先順位について、話し合いがずっと続く場にしたいという趣旨のコメントをしています。

グリーンフィーは、私たちも払っている宿泊税の一部

グリーンフィーは、2025年5月に成立した州の法律(Act 96)でできたもので、2026年1月1日から集められています。州の公式サイトのよくある質問によると、グリーンフィーという別の税があるわけではなく、引き上げた宿泊税の一部をこう呼んでいるそうです。ホテルやバケーションレンタルに泊まる人が、宿泊税を通じて払う形になっています。

税収の見込みは、州の公式サイトでも元の記事でも年1億ドルほどとされています。使い道は法律で3つの分野に決まっていて、公式サイトの説明では、それぞれにほぼ同じ額が回るよう評議会が案を振り分けているそうです。

分野公式サイトで挙げられている中身(一部)
環境の保全在来の森や生きものを守る、サンゴ礁や海岸を守る、水源を守る
気候や災害への備え山火事や洪水への備え、海岸の浸食や高潮への対策、避難所の強化
持続可能な観光ビーチや公園の改善、観光客と住民への案内、混み合う場所の管理

私たちは1回の滞在で25泊くらいするので、宿泊税も毎回それなりの額になります。「払った税金がハワイの砂浜や公園に回るなら、それはそれで悪くないね」と、前から夫婦で話していたテーマでした。

アイデアの窓口でできること

州の公式サイトにある案内を読むと、窓口でできることは大きく3つでした。

案を眺める

3つの分野ごとに一覧があって、「Top(票の多い順)」「Trending(いま注目)」「New(新しい順)」で並べ替えられます。地名やキーワードで探すこともできます。公式の案内によると、もともとあった案は、窓口を開いた時点でどれも1票から始まっているそうです。

賛成の票とコメントを入れる

票を入れるには、無料のアカウントを作ってログインします。1つの案に入れられる票は1アカウント1票で、いくつもの案に票を入れることができます。コメントで質問や意見を書き込むこともできます。ただし公式の案内では、票が多いからといって推薦や予算が約束されるわけではないとはっきり書かれていました。

新しい案を出す

一覧に無い案は、新しく投稿できます。同じ案がすでにあれば、新しく出すよりそちらにコメントで足してほしい、とのことでした。

それぞれの案には、いまどの段階にあるかを示す印が付いています。

印公式サイトの説明
Funding Appropriated州議会が予算をつけた(すでにお金が出たとは限らない)
Recommended for Funding評議会が推薦したが、議会が予算をつけたとは限らない
Not Yet Evaluatedまだ評議会の審査を通っていない
Not Recommended審査はしたが、そのときは推薦されなかった(票やコメントは入れられる)

使い道が決まるまでの流れ

公式サイトの説明をもとに、アイデアが予算になるまでを並べるとこうなります。

  1. 評議会が、11月1日午後11時59分までに届いた市民の案と、州の部局からの予算の要望をあわせて検討する
  2. 評議会が優先順位を付けた推薦をまとめ、州知事に出す
  3. 知事が推薦を予算案に入れるかを決めて、州議会に送る
  4. 最後に予算を決めるのは州議会

公式サイトによると、1年目の回では評議会が500を超える案を検討し、知事が75件の推薦を議会に送り、議会が予算をつけたのは49件だったそうです。今回の投稿は、州の会計年度でいう2028年度と2029年度の推薦に使われると案内されていました。

ワイキキの名前が付いた案も並んでいた

10月22日に窓口の一覧を「Waikiki」で探してみると、こんな案が出てきました。どれも、印は「Not Recommended(そのときは推薦されなかった)」になっていました。

  • Ft. DeRussy - Beach: ワイキキの西寄り、フォート・デルッシー公園の前のビーチに砂を足す案。投稿した人の説明では、浸食で砂浜がなくなってしまったところがあり、ハレクラニのあたりも優先してほしい場所に挙げられていました
  • Waikīkī FloodWatch: 大潮のときの冠水や雨水の逆流など、ワイキキの浸水をセンサーやカメラで見張る案
  • Waikīkī Storm Water infrastructure Assessment: 古くなったワイキキの雨水の排水設備がどんな状態かを調べる案
  • Phased Risk Reduction: Ala Wai Watershed & Waikīkī: アラワイ運河の流域とワイキキの洪水の危険を減らす計画をまとめる案

一覧をスクロールしていたら、奥さんが「砂浜がなくなったって書いてある」と手を止めました。ワイキキのビーチの砂がやせていく話は、現地のニュースでときどき見かける印象があります。こうして一覧に並ぶと、同じワイキキの中にも場所によって事情の違う浜があるんだなぁと感じました。

ワイキキの浸水の案がいくつも並んでいたのも、へぇと思ったところです。大潮で道路に水が出るのは、海と運河に挟まれた土地ならではの心配なのかもしれません。

観光の分野で予算がついた案

持続可能な観光の一覧では、「Funding Appropriated(議会が予算をつけた)」の印が付いた案が上のほうに並んでいました。

  • 人の多いトレイルに地元の案内役を置いて、観光客に歴史やマナー、安全を伝える案
  • マウイ島のカアナパリ・ビーチを、この先どう守っていくかの計画づくり
  • 船がいかりを下ろしてサンゴを傷めないよう、日帰り用の係留ブイを直したり増やしたりする案

ハワイ島のカイルア・コナの桟橋のトイレを直す案も、「Not Recommended」の印で並んでいました。カイルア・コナの名前を見ると、昔ハワイ島に通っていた頃、コナ・ブリューイングの本店で飲み比べをしたことを思い出します。最近はワイキキで過ごすことがほとんどですが、地名ひとつで当時のことがよみがえるのは不思議なものですね。

私たちは眺めるだけ、でも読み物として面白い

窓口は地元の人たちが何を大事にしたいかを聞くための場なので、私たちは票やコメントは入れず、眺めるだけにしておこうと思います。どの案に予算をつけるかは、ハワイに暮らす人たちと議会が決めることだと考えています。

それでも、一覧を順に読んでいくのは思っていた以上に面白かったです。砂浜の砂、浸水のセンサー、トレイルの案内役、ブイ。宿泊税を払うときは「税金が上がったなぁ」くらいにしか思っていませんでしたが、払ったお金の行き先の候補がこうして具体的に並んでいると、少し見え方が変わります。

ホテル代の明細で宿泊税の行を見かけたら、その一部がこういう案のどれかに回るかもしれない、と思い出すくらいがちょうどいいのかもしれません。

まとめ

  • ハワイの宿泊税の一部「グリーンフィー」(年1億ドルほどの見込み)の使い道について、州の評議会がネットでアイデアを集める窓口を開いた
  • 11月1日午後11時59分までの投稿が、次の推薦づくりに使われる(公式サイトによる)。それ以降も窓口は開いたまま
  • 案を眺めるのは誰でもでき、票やコメントには無料のアカウントが要る。票が多くても予算は約束されない
  • 最後に予算を決めるのは州議会。1年目は75件の推薦のうち49件に予算がついた
  • 一覧にはワイキキの砂浜や浸水の対策の案も並んでいた

窓口の案内や締め切りは、10月22日に州の公式サイト(greenfeehawaii.org)で確かめた内容です。投稿や票を入れる予定の方は、念のため公式サイトの最新の案内を見てからにしてください。

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