アメリカの国立公園局(NPS)が、ホノルル市・郡を「第二次世界大戦ヘリテージ・シティ(American World War II Heritage City)」に指定したそうです。州や海外領土ごとに1か所だけを選ぶ仕組みで、今年選ばれたのは10か所。地元の新聞によると、今年は12月7日の真珠湾攻撃から85年にあたる年だそうです。ワイキキ周辺で過ごすことがほとんどの私たちにとって、パールハーバーは普段の行き先から外れた場所ですが、日本から行く旅行者として読むと、少し背筋が伸びる話でした。この記事では、指定の中身と理由、一緒に選ばれた場所、それからパールハーバー国立記念公園に行くときの決まりを公式の案内から並べて、最後に我が家が思ったことを書いています。
ニュースのあらまし
ホノルルの新聞スター・アドバタイザーが10月18日付で伝えた内容を、ざっくりまとめるとこうなります。
National Park Service designates Honolulu as World War II Heritage City | Honolulu Star-Advertiser
The National Park Service officially designated the City &County of Honolulu as an American World War II Heritage City in recognition of its unique history during the war and ongoing efforts to preserve that history.
- 国立公園局が、ホノルル市・郡を「第二次世界大戦ヘリテージ・シティ」に正式に指定しました。戦争中の独特な歴史と、その歴史を残していく取り組みを評価しての指定とのことです
- 発表は金曜(10月16日)のプレスリリースで、局長代行の Jessica Bowron さんは、真珠湾攻撃のときの勇気から、戦争中ずっと続いた民間の働き手と軍の人たちの努力まで、ホノルルはアメリカの勝利の最前線にいた、といった内容のコメントを出しています
- この仕組み(World War II Heritage City Program)は2019年3月にできたもので、内務長官が州や海外領土ごとに1か所を指定できるそうです
- 記事によると、2020年からこれまでに46州と2つの海外領土で指定が出ていて、ホノルルは今年指定された10か所のひとつです
指定の理由として挙げられていたこと
記事には、ホノルルがどんな形で戦争と関わってきたかが、時代の順に書かれていました。
- 1940年、アメリカ海軍は太平洋艦隊の司令部をサンディエゴからオアフへ移しました
- 1941年12月7日、日本軍の奇襲が真珠湾とオアフのほかの軍の施設を襲い、戦争がホノルルの暮らしに直接やってきました
- 攻撃のあと、住民はけが人の救助や、沈んでいく船に閉じ込められた人たちの助けに動き、献血もしたそうです。真珠湾の海軍工廠の働き手は、転覆した戦艦オクラホマから32人の乗組員を助け出しています
- 1942年5月には、およそ1,400人の民間の働き手が昼も夜も作業して、珊瑚海海戦で大きく傷ついた空母ヨークタウンを72時間で直したそうです。ヨークタウンはそのままミッドウェー海戦に向かいました
- 戦争のあいだ、オアフは訓練の場所、物資の集まる拠点、部隊が出ていく港として使われ続けました
現地の報道では、日米双方の流れ弾で、オアフの民間の人たちにも数十人の犠牲が出たと伝えられています。
読んでいて思ったのは、真珠湾というと12月7日の朝のことばかりが浮かびますが、指定の理由として挙げられているのは、そのあと何年も続いた街の人たちの働きのほうが多いということでした。工場や港で働いた民間の人たちの話が、国の指定の理由としてきちんと並んでいるのは、へぇ、そういう見方をするんだなぁと思いました。
今年いっしょに選ばれた10か所
記事には、ホノルルと一緒に今年指定された場所が全部挙がっていました。それぞれの理由を短くまとめるとこうです(スター・アドバタイザーの記事による)。
| 場所 | 選ばれた理由(要約) |
|---|---|
| ホノルル市・郡(ハワイ) | 真珠湾攻撃、海軍工廠での修理、太平洋の戦いの拠点 |
| ウィッティア(アラスカ) | 兵士と物資を運ぶ軍の港 |
| オーロラ(コロラド) | 2つの飛行場での訓練と、傷ついた兵士を受け入れた病院 |
| クーテナイ郡(アイダホ) | 海軍の訓練所で数十万人の水兵が訓練を受けた |
| ロックフォード市とウィネベーゴ郡(イリノイ) | 兵士と医療の人たちの訓練、パイロットの飛行場 |
| オーエンズボロ市とデイビース郡(ケンタッキー) | 軍の物資づくりと、農業や戦時国債の運動 |
| サベージ市(ミネソタ) | ハワイ出身の人も多かった日系人の情報兵を育てたキャンプ |
| ペンドルトン(オレゴン) | ドーリットル空襲の爆撃機の乗組員の訓練、山火事の消火を担った部隊 |
| シャーロット・アマリー(米領バージン諸島) | カリブ海の港と海軍・航空の基地 |
| サウスチャールストン(ウェストバージニア) | 艦砲の砲身や装甲をつくった工場 |
この中で目が止まったのは、ミネソタのサベージ(Savage)でした。記事によると、ここのキャンプでは日系アメリカ人の情報兵(軍の情報部隊の専門の人たち)が訓練を受けていて、その多くがハワイの出身だったそうです。言葉の力で太平洋の作戦を支えた、と紹介されていました。ハワイの話がミネソタの町の指定理由にまで出てくるのは、思っていなかったつながりです。
パールハーバー国立記念公園に行くなら(公式の案内から)
指定のニュースを読んで、パールハーバーに行ってみようかなと思った方向けに、国立公園局の公式サイトのよくある質問と料金のページ、基本情報のページ、規則のページに出ていた決まりを並べておきます。2026年10月19日に公式サイトで確かめた内容です。
| 項目 | 公式サイトの案内 |
|---|---|
| 入場料 | 無料(ビジターセンター・敷地・博物館は予約もチケットも不要) |
| アリゾナ記念館のプログラム | 必須ではないものの予約を強くすすめている。予約は Recreation.gov のみ(返金されない1ドルの手数料がかかる)。予約なしでも当日の待機リストに登録できる |
| フォード島のバスツアー(戦艦ユタ・オクラホマの記念碑) | 予約が必要(Recreation.gov) |
| 駐車場 | 1日7ドル。駐車場のQRコードから当日だけ支払える(前払い不可) |
| バッグ | 中身が隠せるバッグは、財布くらいの大きさ(公式ページによって約3.2〜3.8×5.7×14センチ)を超えると持ち込めない。透明なバッグは可。有料の荷物預かりが入口近くにある |
| 飲み物 | 博物館・シアター・記念館の中は水だけ |
いくつか補っておくと、待機リストは音声ガイドのブースの前にあるタブレットで名前と電話番号、人数を入れると、順番の番号がショートメッセージで届く仕組みだそうです。混んでいる日は呼ばれるまで数時間かかることもある、と書かれていました。
それから、グルーポンや Go Oahu カードのような外の会社のチケットでは、国立公園局のプログラム(アリゾナ記念館など)の予約にはならないとはっきり書かれています。戦艦ミズーリ、潜水艦の博物館、航空博物館は国立公園局とは別の施設で、それぞれ別料金です。
アリゾナ記念館のプログラムの時間は、公式のよくある質問に「2025年10月10日時点で、朝8時から午後3時半まで15分ごと(正午から午後1時は休み)」と出ていました。日付が少し前のものなので、行く前に公式サイトで今の時間を確かめてください。
85周年の12月は、いつもより人が集まりそう
記事によると、今年は12月7日の攻撃から85年の年です。指定の発表もこのタイミングで出ているので、12月は記念の催しで人が多くなるのでは、と想像しています。年末にパールハーバーを予定に入れている方は、アリゾナ記念館の予約を早めに見ておくのと、公式サイトの催しの予定表で閉まる時間帯がないかを確かめておくと安心だと思います。
私たちはこう読みました
私たちはワイキキで過ごす時間がほとんどで、パールハーバーは普段の行き先からは外れた場所です。レンタカーを借りない我が家がもし行くなら、UberかLyftを呼ぶことになりそうです。
それでも、日本から行く旅行者として、このニュースは軽く読み流せない話でした。公式サイトの紹介文には、この場所は12月7日に至るまでの出来事から、そのあとの平和と和解の取り組みまでをつないでいる、という趣旨のことが書かれています。攻撃の日のことだけでなく、そのあとの和解までを伝えようとしている場所なのは、日本から行く身としてありがたいなと思いました。
二人で知らない料理に出会ったとき、由来を調べてから食べるのが我が家の習慣なんですが、ハワイの街も同じで、知ってから眺めると見え方が変わります。空港に降りて、ワイキキまで車で走るあいだに見える景色も、この記事を書いたあとだと少し違って見えそうです。
まとめ
- 国立公園局が、ホノルル市・郡を「第二次世界大戦ヘリテージ・シティ」に指定しました(10月16日の発表)
- 州や海外領土ごとに1か所を選ぶ仕組みで、今年指定されたのは10か所。ミネソタのサベージは、ハワイ出身の人も多かった日系人の情報兵を育てた場所として選ばれています
- パールハーバー国立記念公園は入場無料。アリゾナ記念館は予約を強くすすめていて(Recreation.gov のみ)、中身の隠れるバッグは財布くらいの大きさまでしか持ち込めません(透明なバッグは可・入口近くに有料の荷物預かりあり)。駐車場は1日7ドルで当日払い
- 今年は12月7日から85年。年末に行くなら、予約と催しの予定を早めに公式サイトで確かめておくと安心です











