ハワイアン航空とアラスカ航空がひとつの会社になってから、この9月で丸2年になるそうです。予約のサイトもアプリも、空港に置かれた機械も、貯めたマイルの記録まで全部つながって、外から見ると「もうほとんど1社」というところまで来ました。私たちはANAでハワイに通っているので、これで自分たちのマイルの貯め方が変わるわけではありません。ただ、会社が今回の説明で「お客さんの手間が減った」という言い方をしていて、そこはうちがいつも気にしているところと同じだなぁと思いながら読みました。
ニュースのあらまし
Alaska, Hawaiian airlines report merger gains | Honolulu Star-Advertiser
Alaska and Hawaiian airlines say their merger has resulted in a net gain of more than 1,100 jobs and is ahead of schedule financially nearly two years after receiving federal approval, although the companies still have not completed joint labor agreements for unionized workers.
アラスカ航空、シアトル発アテネおよびパリ線を2027年夏期に開設 欧州ネットワークを拡充 | sky-budget スカイバジェット
2026年8月31日付のホノルル・スター・アドバタイザーが、アラスカ航空とハワイアン航空それぞれの最高経営責任者(Ben Minicucci 氏と Diana Birkett Rakow 氏)に話を聞いて、合併がどこまで進んだかを伝えていました。元記事によると、アラスカ・エア・グループが19億ドルでハワイアン航空の親会社を買い取ったのが2024年9月で、9月18日でちょうど2年になるとのことです。
出ていた内容を並べてみると、こんな感じでした。
- 2社をひとつの会社として飛ばすための免許(単一運航証明)が2025年9月にそろった
- マイルの会員プログラムが2025年10月にひとつにまとまった
- 予約と搭乗を扱う仕組みが2026年4月にひとつになり、サイト・アプリ・空港の機械・予約の記録・会員プログラムまでつながった
- 買収からの2年で、働く人の数は差し引き1,100人以上増えた
- 一方で、組合に入っている従業員との統合後の労働協約はまだまとまっていない
飛行機の会社が一緒になるというのは、看板を掛け替えて終わりではなくて、免許・マイル・予約の仕組みという順に、中身をひとつずつ差し替えていく作業なんですね。
予約の画面も会員プログラムも、この2年でひとつにまとまりました
節目として挙げられていたのは、次の3つです。
| 時期 | 何がひとつになったか |
|---|---|
| 2025年9月 | 2社をひとつの会社として飛ばすための免許(単一運航証明) |
| 2025年10月 | マイルの会員プログラム |
| 2026年4月 | 予約と搭乗を扱う仕組み(サイト、アプリ、空港の機械、予約の記録、会員プログラム) |
(いずれも元記事で挙げられていた節目です)
このうち、乗る人にいちばん近いのは2026年4月のところだと思います。元記事では、この仕組みがひとつになったことでお客さんの手間が減った、といった説明のされ方をしていました。予約の番号がどちらの会社のものか分からなくなる、片方のアプリでは席が選べない、空港の機械では出てこない ── そういう「合併したてのころにありがちな面倒」が、ここでようやく片付いたということですね。
会員プログラムの名前も元記事に出てきていて、アトモス・リワーズ(Atmos Rewards)と、フアカイ・バイ・ハワイアン(Huakaʻi by Hawaiian)の2つが挙がっていました。後者はアラスカ航空のニュースルームでも2026年9月2日付で特典を手厚くしたと案内されていて、ハワイに住んでいる人向けのプログラムという扱いになっています。日本から通う私たちが見ておくのはアトモス・リワーズのほう、という分け方で良さそうです。
人の数と、お金の話
元記事には数字もいくつか出ていたので、そのまま並べておきます。
| 何の数字か | 元記事に出ていた数 |
|---|---|
| 差し引きで増えた働き手 | 1,100人以上 |
| 新しく採用した人 | 1,497人以上(多くはハワイの組合職) |
| 人員削減の事前通知を受けた人 | 418人(組合に入っていない従業員) |
| すでに退社した人 | 383人 |
| ハワイアン航空で働く人 | ハワイの島々で約6,100人、全体で約7,200人 |
| 4〜6月の売上 | 41億ドル |
| 同じ期間の最終損益 | 7,600万ドルの赤字 |
| 2027年までに見込む合併の効果 | 10億ドル(売上で8億ドル、費用の削減で2億ドル) |
(数字はいずれも元記事によるものです)
働き手が差し引きで増えている一方、人員削減の事前通知を受けた人もいる、というのが実際のところのようです。合併と聞くと人が減る話ばかりが浮かびますが、増えたところと減ったところが両方あって、足し引きするとハワイでは増えている、という並び方でした。
売上が41億ドルで最終的には赤字、という数字は、私たちには大きすぎてピンと来ません。ただ「2027年までに10億ドルの効果を見込んでいる」という言い方をしているので、会社としてはまだ途中の景色を見ている、ということなのだと思います。
ANAで通う我が家に直接は効きません。でも考え方はよく分かります
私たちのハワイ行きはANAの成田発で、マイルもANAに寄せています。ハワイアン航空はアラスカ航空と一緒にワンワールドのほうへ入ったので、JALでマイルを貯めている人には大きな話ですが、うちのマイルの行き先が変わるわけではありません。
それでも今回の話がなんとなく他人事に思えなかったのは、「ひとつに寄せると楽になる」というところが、我が家のやり方とまるっきり同じだからです。飛行機はANA、決済のカードも1枚に集めていて、あちこちに散らばらせないようにしています。理由は貯まり方が良いからというだけではなくて、どこに何が貯まっているか考えなくて済むのがラクだからなんですよね。予約のサイトもアプリも1つで済むほうがいい、という感覚は、規模がまるで違うだけで同じ話だと思います。
読者の方の中には、羽田や関西からハワイアン航空でホノルルに入る方もいると思います。予約の記録と会員プログラムが同じ仕組みに乗ったということは、行きと帰りで画面を行ったり来たりしなくて済むということなので、そういう使い方をしている方にはそのまま効いてくる変化です。機内のWi-Fiが無料になった話もこの夏に別の記事で書きましたが、乗り心地まわりが少しずつ揃ってきている感じがあります。
これから予定されていること ― 2027年の欧州線と2028年の島またぎ機材
先の予定として挙がっていたものも並べておきます。
| 時期 | 予定されていること |
|---|---|
| 2027年まで | 貨物専用機を増やして、運べる量をほぼ2倍に |
| 2027年5月12日 | シアトル発アテネ線が就航(週3便・ボーイング787-9) |
| 2027年5月25日 | シアトル発パリ線が就航(週5便・同じく787-9) |
| 2028年〜 | 島と島を結ぶ路線の機体をボーイング737-800へ入れ替え |
(欧州2路線の日付と便数は sky-budget の記事によるものです。貨物と島間路線は元記事によります)
欧州の2路線はシアトル発なので、日本から見ると遠い話です。ただ sky-budget の記事では、ホノルルがこの会社の2つ目の拠点になっていて、シアトル乗り継ぎでその日のうちにパリまで行ける、という書かれ方をしていました。ハワイに行くための飛行機だったものが、ハワイを通ってどこかへ行くための飛行機にもなっていく、ということなのだろうと思います。ボーイング787には全部倒れる椅子のビジネスクラスとスターリンク(人工衛星を使ったインターネット)が付くとのことで、乗る方には楽しみな話ですね。
島と島を結ぶ便の機体交代は、7月にひとつ記事を書いたときと同じ2028年の予定でした。昔はハワイ島にもよく通っていた時期があって、その頃は島をまたぐ便に乗る機会もありました。最近の滞在はワイキキの周りでのんびりしているので島をまたぐことはありませんが、こういう予定が出てくると、あの頃の小さな空港の空気をぼんやり思い出します。ハワイアン航空まわりでは路線そのものの入れ替えも進んでいて、この2年で本当に景色が変わりました。
「まだ終わっていない」と自分から言っているところ
面白いなぁと思ったのは、会社が自分で「全部済んだ」とは言っていないところです。元記事では、組合に入っている従業員との統合後の労働協約がまだまとまっていないことが、はっきり残された課題として書かれていました。働く人と会社の話し合いはいま進んでいる最中とのことで、合併の中でもいちばん時間のかかるところが残っている、ということのようです。
アラスカ航空の最高経営責任者は、この2年の進み具合をこんなふうに言い表していました。
点数を付けるなら、しっかりしたBというところです。
― 元記事に出ていた発言より(原文は英語なので、日本語に直しています)
自分の会社の仕事に自分でBを付けるというのは、なかなか言いにくいことだと思います。「Aです」と言い切らずに、まだ残っているところがあると自分から言っているほうが、聞いているこちらとしてはむしろ安心できる感じがしました。
私たちはこう読みました
2年かけて、免許・マイル・予約の仕組みという順にひとつずつ差し替えて、いまはだいたい1社として動いています。ただし人の話はまだ途中で、機体と路線はこれから何年かかけて入れ替わっていくところ。だいたいそういう2年目の景色でした。
私たちの通い方は当分このままANAですし、この記事を書いたからといって明日から乗る飛行機が変わるわけでもありません。それでも、ホノルルの空港でいちばん多く見かける会社が、少しずつ迷いにくい形になっていくのは、そこを通る人みんなにとって悪い話ではないと思います。次にワイキキで過ごすとき、空港でどのくらい景色が変わっているのか、着いた日にちょっと見回してみようと思います。











