ハワイで野生動物への餌やりが禁止へ ― 州の規則改正案は初犯で最大$250、意見の締切は2026年8月26日
ハワイで野生の生きものに食べ物をあげる行為が、はっきりと禁止される方向で話が進んでいます。州の土地・天然資源局(DLNR)が、在来の野生動物を守る決まりの改正案をまとめていて、これまでの「捕まえる・傷つける・殺す」に加えて、嫌がらせにあたる行為や餌やりまでを禁止の中に入れる、という中身です。罰金は初犯で最大$250、絶滅のおそれがある種なら$10,000。公聴会は8月13日で、意見の受付は8月26日までとのことでした。私たちはワイキキの周りをうろうろするくらいの過ごし方ですが、それでもビーチ沿いを歩いていれば鳥は寄ってきますし、知らないうちに線を越えていた、というのはいちばん避けたいところです。そう思って、中身を並べてみることにしました。
ニュースのあらまし
Aloha State Daily | DLNR proposing stricter wildlife conservation rules
Harassing native wildlife to be prohibited under proposed rules.
DLNRが見直しをかけようとしているのは、ハワイの行政規則の第13-124章です。在来の野生動物や、絶滅のおそれがある動植物を守るための決まりが書かれている章で、そこにいくつかの禁止事項を足す、というのが今回の改正案になります。
いまの規則で禁じられているのは、捕まえる、持つ、傷つける、殺す、売る、運ぶ、という行為でした。改正案ではここに「テイク(take)」という、もっと広い言葉が入ります。傷つけることに加えて、嫌がらせにあたる行為までをひとまとめにした言い方で、要するに「そっとしておかない」こと全般が禁止の中に入る、と読めます。
そしてもうひとつ、旅行者にいちばん近いところにあるのが餌やりの禁止です。元の記事では、野生の生きものに食べ物をあげると、病気になったり、人に慣れてしまったり、危ない場所に引き寄せられたりすることがある、という理由が挙げられていました。悪気なく分けたパンのひとかけらが、その子の暮らし方を変えてしまう、ということなんでしょうね。
新しく禁止されるのは、こんな行為
改正案が挙げている禁止事項を並べてみます。
| 禁止される行為 | 中身 |
|---|---|
| 在来の野生動物の「テイク」 | 傷つける・嫌がらせをする行為までを含んだ広い言葉 |
| すみかを大きく変えること | 在来の野生動物が死んだり傷ついたりするほど、生息地を大きく変えたり傷めたりする行為 |
| 餌やり | 在来の野生動物に食べ物を与えること |
| 持ち込まれた野鳥への行為 | 捕まえる・殺すことは禁止。ただし「テイク」までは含まない |
| DLNRの土地に動物を連れて入ること | リードにつなぐか、ケージに入れている場合を除いて禁止。馬に乗って入ることも禁止 |
最後の一行は、州が管理している土地でのペットや動物の扱いについての話です。あわせて、DLNRの土地で野放しになっている動物は捕獲されることがある、とも書かれていました。州立公園などをよく歩く人には、こちらのほうが身近かもしれません。ハワイの州立公園といえば、少し前に4カ所で駐車料金が変わった話もありましたが、決まりごとが少しずつ整えられていく流れは、この改正案にも共通して見えます。
持ち込まれた野鳥についてだけ「テイク」が外れているのは、在来の生きものとそうでないものとで、守り方の線を引き分けているということなんだろうな、と想像しています。このあたりの細かい線引きは、元の記事にもそれ以上の説明はありませんでした。
罰金は初犯で最大$250、絶滅のおそれがある種なら$10,000
金額のほうも見てみます。
| 対象 | 上限 |
|---|---|
| 初犯(一般) | $250 の罰金、および/または 最長1年の収監(刑務所に入ること) |
| 脅威にさらされている種(threatened)を殺す・移す | $5,000 |
| 絶滅のおそれがある種(endangered)を殺す・移す | $10,000 |
1ドル160円で計算すると、$250はだいたい4万円、$5,000は80万円、$10,000は160万円ほどになります。初犯の$250だけを見ると「そこまで大きくはないのかな」と思うかもしれませんが、そこに最長1年の収監が並んでいるのを見ると、やっぱり軽く扱われる話ではないんだな、と背筋が伸びます。
守られている生きものに手を出した場合の金額は、桁がひとつもふたつも変わります。旅行で来ている人が絶滅のおそれがある種をどうこうする場面は、そうそう思い浮かびませんが、「近づいてはいけないものが、はっきり金額つきで守られている」という感覚は、知っておくだけでも行動が変わりそうです。
意見を言う場は8月13日、締切は8月26日
改正案なので、これから意見を集める段階にあります。元の記事に出ていた日程は次のとおりでした。
- 公聴会: 8月13日 午前11時〜午後1時、ホノルルのカラニモク・ビル(1151 Punchbowl Street)132号室
- オンラインでの意見の受付: 8月26日まで
カラニモク・ビルは、州の役所が集まっているダウンタウンのあたりにあります。私たちが意見を出しに出かけることはありませんが、こういう決まりごとが、いつ、どこで話し合われて形になっていくのかが見えるのは、なんだか面白いなと思います。ニュースとして「決まりました」とだけ流れてくるより、途中の日程まで見えているほうが、遠くから眺めていても納得しやすいですよね。
出歩かない私たちにも、ぜんぜん他人事ではない話
私たちの滞在中の行動は、ワイキキの歩いて行ける範囲と、ピンクトロリーで行けるアラモアナのあたりにほぼ集まっています。山に入ることも、海に潜ることも、いまはしません。それでも、この改正案は他人事ではないなと思いました。買い出しの行き帰りにビーチ沿いを歩けば、鳥はふつうに寄ってきます。近くのベンチで誰かが何かを食べていれば、そちらにも集まっていきます。
そこで足元に寄ってきた鳥が、この規則でいう「在来の野生動物」にあたるのかどうかまでは、元の記事からは分かりません。ただ、分からないのであればあげないでおくのがいちばん確実ですよね。もともと我が家は、飲み物とつまみを買って部屋に戻るまでが一日の楽しみみたいなところがあるので、道すがら食べ物を分ける場面はほとんどないのですが、それでも「うっかり」の芽は摘んでおきたいところです。
ワイキキの浜辺は、動物との距離がわりと近い場所でもあります。カイマナビーチでモンクアザラシの赤ちゃんが生まれたときも、人が近づかないように浜の一角が囲われました。ああいう光景を見ていると、「そっとしておく」というのが、ハワイでは看板の言葉ではなくて、実際に手間もお金もかけて守られているものなんだなぁと感じます。今回の改正案で「嫌がらせ」までが言葉として入るのも、その延長にあるように読めました。
昔ハナウマ湾で会ったウミガメのこと
この手のニュースを読むと、いつも思い出すことがあります。ハワイに通いはじめた当初、ハナウマ湾に二回ほど行ったことがあって、シュノーケルでウミガメに会えたんですよね。透き通った水の中を、こちらのことなど気にも留めずにゆっくり進んでいく姿を、いまでもよく覚えています。
当時は予約もいらなくて、オプショナルツアーに申し込めばそのまま連れて行ってもらえました。今は事前に予約する仕組みになっていますし、そもそも我が家はもう10年近く足を運んでいません。それでも、あのころと比べると、ハワイの自然まわりの決まりごとはずいぶん増えたなぁ、と感じます。決まりが増えたからといって窮屈になったかというと、そうは思わなくて、あの透き通った海と、そこにいた生きものがそのまま残るのであれば、手続きが少し増えるくらいはどうということもないよね、と奥さんと話していました。
気をつけるのは、たぶんこれくらい
まとめると、今回の改正案で押さえておきたいのはこのあたりです。
- 在来の野生動物への餌やりが、はっきりと禁止の中に入る
- 傷つけるだけでなく、嫌がらせにあたる行為まで禁止の言葉に含まれる
- 罰金は初犯で最大$250、守られている種に手を出すと$5,000〜$10,000
- 公聴会は8月13日、意見の受付は8月26日まで
まだ改正案の段階なので、このまま決まるかどうかは分かりません。ただ、方向としては「そっとしておく」を強めるほうへ進んでいるので、次にハワイへ行くときも、浜辺で寄ってきた生きものは眺めるだけにしておこう、という心づもりでいれば大きく外すことはなさそうです。
我が家の過ごし方でいえば、いつもどおり買い出しをして、部屋に戻ってのんびり飲む。それだけで、この決まりごとに引っかかる場面はほぼないはずです。ただ、動かないなりに海の近くを歩く時間はそれなりにあるので、頭の片隅には置いておこうと思ったニュースでした。
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