午後のアラモアナ・ビーチパーク、やせた砂浜と岩の多い波打ち際、奥に芝生とヤシの木
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アラモアナ・ビーチパークに砂を足す計画、宿泊税「グリーンフィー」から744万ドル ― 州の委員会が承認【2026年10月】


アラモアナ・ビーチパークの砂浜に、沖の砂を足す計画が動き出しました。ハワイ州の土地・自然資源委員会(BLNR)が、宿泊税の一部「グリーンフィー」から744万ドルをホノルル市に回す取り決めを承認したそうです。州の資料によると、あの浜は満潮になると砂がほとんど残らず、岩やがれきが目立つところまでやせているとのこと。私たちがピンクトロリーでよく行くアラモアナセンターの、大きな通りを渡った向かいの話です。しかも元手は、滞在のたびに夫婦で払っている宿泊税。読んでいて、なんだか他人事ではない気がしてきました。お金の流れ、浜の成り立ち、決まっていることとまだのことを順に並べていきます。

ニュースのあらまし

ハワイのニュースサイト、アロハ・ステート・デイリーが伝えた内容と、州が委員会に出した資料をあわせてまとめると、こうなります。

Aloha State Daily | More sand coming to Ala Moana Beach Park

Aloha State Daily | More sand coming to Ala Moana Beach Park

BLNR approves a $7.4 million project to deposit 70,000 cubic yards of ocean-dredged sand across the depleted Ala Moana shoreline.

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Aloha State Daily
  • 州の土地・自然資源委員会が、アラモアナ・ビーチパークの砂浜を取り戻す計画の資金について、州とホノルル市の取り決めを承認した。記事によると全会一致
  • 計画の中身は、沖の海底からすくい上げた砂を最大7万立方ヤード(約5万3,500立方メートル)、公園の前に続く浜に沿って置くというもの
  • 資金は、2026年の初めから引き上げられた宿泊税(TAT)の一部、グリーンフィーから出る
  • 許可は2021年にすでに下りていて、完成の期限は2030年2月11日(州の資料による)
  • 費用が744万ドルを超えても、市は自分のお金を足す義務はなく、計画を小さくしたり取りやめたりできる
  • 完成したあとは、市が浜の日々の手入れを受け持つ

記事では、7万立方ヤードの砂を1フィート(約30センチ)の厚さで敷くと、およそ43エーカーを覆える量だと紹介していました。1エーカーを約0.4ヘクタールとして計算すると17ヘクタールほどで、東京ドームなら3個半を少し超えるくらいの広さです。

州が委員会に出した資料(議案と取り決めの文書)は、土地・自然資源局のサイトのPDFで読めます。日付は2026年10月23日になっていました。

1,000万ドルの申請から、744万ドルに落ち着くまで

州の資料を読むと、金額がどう決まっていったのかが細かく書かれていました。数字が何度か出てくるので、表にしておきます。

段階金額中身(州の資料による)
市の申請1,000万ドル2025年、ホノルル市の公園・レクリエーション局が工事の費用として申請
評議会の推薦675万ドル2025年のグリーンフィーの評議会が知事に推薦し、知事も予算案に入れた
州議会の予算800万ドル公聴会での意見などを経て、州議会が土地・自然資源局に割り当て
実際に回る額744万ドル800万ドルから、州の事務の手数料として7%が差し引かれた

知事の案より州議会のほうが多く付けている、というのはちょっと意外でした。申請から推薦、予算と進むあいだに、金額が下がってまた上がる、そういう順番もあるんですね。

もうひとつ、記事にはこの計画がずっと宙に浮いていた事情も出ていました。市の公園・レクリエーション局の Laura Thielen 局長によると、計画自体は何年も前からあって、2021年に許可も取れていたのに、取ってあったお金がコロナ禍の対応に回されてしまったそうです。さらに、浜の下の土地は市の持ち物ではないので、市が借金(市債)で工事をすることもできない、といった内容の説明もしていました。そこへ宿泊税からお金が来た、という流れです。

アラモアナの砂浜は、もともと人の手で作られた浜

いちばん「へぇ」と思ったのは、州と市の取り決めの文書に書かれていた浜の成り立ちです。

公園ができる前、このあたりの海岸は、湿地の前に細い浜があるだけだったそうです。1920年代に船の通り道が掘られ、1951年にはアラワイ・ハーバーが掘られ、1955年には沖に岸と平行な水路が掘られて、そのとき出た49万立方ヤードの土砂で古い水路を埋めて、今の岸の土台を作った。その上に砂を置いて浜にした、という歴史なんだそうです。

そして今は、沖にある深い遊泳用の水路が、沖の砂が浜へ流れてくるのをさえぎっていて、浜に砂が自然に戻ってくる仕組みがないとのこと。過去にも砂を足していたという話はあるものの、今では砂がやせて、満潮のときにはほとんど浜がなくなってしまうところまで来ているそうです。

遠目にはきれいな砂浜に見えていたので、人が作って、人が砂を足さないと保てない浜だというのは知りませんでした。アラモアナセンターの向かいにあの細長い公園があるのは当たり前の景色だと思っていましたが、その当たり前を保つのにも手間とお金がかかっているんですね。

州の資料では、公園の利用者は年に推定400万人、許可を取って開かれる催しも年850件以上あるとされていました。地元の人にとっても、それだけ大事な公園だということだと思います。

決まっていることと、まだ出ていないこと

読者がいちばん気になるのは「いつ砂が入るの?」「工事中は使えるの?」あたりだと思います。今回の記事と州の資料で確かめられたことを分けておきます。

項目今わかっていること
砂の量最大7万立方ヤード(州の資料による)
砂の出どころ沖の海底からすくい上げた砂
置く場所公園の前に続く浜に沿って、端から端まで
州から市へ回るお金最大744万ドル(実際の費用のほうが安ければその額まで)
完成の期限2030年2月11日(2021年の許可の条件による。2026年10月の州の資料から)
工事が始まる時期記事・州の資料にはまだ出ていない
工事の期間2021年の許可の審査資料では、全体で3〜5か月ほどの見込み(進め方は請負業者しだい)
工事中の立ち入り同じ資料では、浜を区切って順に砂を入れ、一度に閉めるのは岸沿い50〜100フィート(約15〜30メートル)ほどで、ほかは開けておく計画。ただし2021年時点の計画で、実際の進め方は請負業者しだい

取り決めでは、市がまず計画と設計を担う会社を選び、そのあと工事の入札をして、節目ごとに州へ書類を出してお金を受け取る、という順番になっています。今回の承認は、州がこの取り決めを市と結ぶことを委員会が認めた、という段階です。

工事の期間と工事中の浜の使い方は、2021年に許可を出したときの州の審査資料のPDFに書かれていました。浜を全部いっぺんに閉めるわけではないようで、少しほっとしました。

取り決めの中には、計画の成果を測る数字を市と州で集めて、誰でも見られる公開のページに載せる、という一文も入っていました。どのくらい砂が戻ったのか、あとから外からも確かめられるようになるのかもしれません。

ビーチで泳いだり過ごしたりする予定がある方は、工事が始まるとその間は使い方が変わる可能性もあるので、行く前にホノルル市の案内を確かめておくと安心だと思います。

宿泊税の行き先が、ひとつ形になった

グリーンフィーは、2026年1月1日から集められている宿泊税の引き上げ分のことです。少し前に、州の評議会がグリーンフィーの使い道のアイデアをネットで集める窓口を開いたという話を書いたばかりでした。そのときの一覧にも、ワイキキの浜に砂を足す案が並んでいたのを覚えています。

あちらは「これから何に使うか」を集める話で、今回は「実際にお金が回った」話です。宿泊税が上がったときは「また上がったなぁ」くらいにしか思っていませんでした。ただ、払ったお金が近所の浜の砂になると聞くと、少し見え方が変わります。

私たちは1回の滞在で25泊くらいするので、宿泊税も毎回それなりの額になります。その一部がアラモアナの浜に回るなら、それはそれで悪くないね、というのが夫婦で読んだあとの感想でした。

いつものアラモアナから見ると

私たちがアラモアナに行く目的はほぼアラモアナセンターのフードコートで、その日の晩酌のおつまみを買って、ピンクトロリーでワイキキに戻ってきます。ビーチパークまで足を延ばすことは、ここ最近はほとんどありません。海にもほとんど入らない夫婦です。

それでも、センターの向かいに広がるあの公園は、なじみの景色の一部です。8月にはアラモアナ・ビーチパークの沖でサメが目撃されて看板が立ったというニュースもあって、そのときも「道を渡ればすぐのところだ」と思いながら読んでいました。

奥さんは州の資料の「満潮のときにはほとんど浜がない」というくだりを読んで、「あんなに広く見えるのにね」と言っていました。芝生と木陰が広いので、浜まで細くなっているとは気づかなかったんですね。

砂が入ったら、一度くらいはフードコートの帰りに道を渡って、どのくらい浜が広がったのか見てみたいなと思っています。おつまみの袋を提げたまま、少しだけ遠回りするくらいなら、腰の重い私たちでもなんとかなりそうです。

まとめ

  • 州の土地・自然資源委員会が、アラモアナ・ビーチパークの砂の補充に、宿泊税の一部「グリーンフィー」から744万ドルを市に回す取り決めを承認した
  • 沖の海底の砂を最大7万立方ヤード、公園の前の浜に沿って置く計画。完成の期限は2030年2月11日
  • あの浜は1950年代に人の手で作られたもので、沖の深い水路にさえぎられて砂が自然には戻らない。今は満潮のときにほとんど浜が残らない
  • 市の申請は1,000万ドル、州議会の予算は800万ドルで、手数料を引いた744万ドルが回る
  • 工事が始まる時期はまだ出ていない(2021年の許可の資料では、期間は3〜5か月ほど、浜は区切って一部ずつ閉める計画とされていた)

金額・砂の量・期限・浜の成り立ちは、2026年10月に州の土地・自然資源局の資料とアロハ・ステート・デイリーの記事で確かめたものです。工事が始まる時期や、実際の立ち入りの範囲については、ホノルル市の案内が出たらそちらを確かめてくださいね。私たちはまた、フードコートの袋を提げたまま、道路の向こうの浜の砂の具合を気にしながらトロリーに乗ることになりそうです。

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