明るい午後のワイキキの広い歩道と、買い物袋を提げて歩く二人の後ろ姿、道沿いのヤシの木
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ワイキキの路上販売に罰金500ドル案 ― ホノルル市議会が2回目の採決で可決(2026年9月)


ワイキキの歩道で許可なく物を売る商売に科される罰金が、100ドルから500ドルへ引き上げられるかもしれません。ホノルル市議会が9月9日、その議案を2回目の採決で通しました。採決は全部で3回あるので、残りはあと1回です。私たちの滞在はワイキキから歩いて行ける範囲でだいたい完結していて、ビールやつまみの買い出しで通りを歩く時間も長いので、歩道まわりの決まりごとが変わる話にはつい目が留まります。罰金の額ばかりが目立つ議案ですが、議会では「今の法律はどれくらい取り締まられているのか」という質問も出ていました。数字を並べてみます。

ニュースのあらまし

ホノルル市議会が審議しているのは、議案52号(Bill 52)という条例案です。市が持つ道路・歩道・モールなどの公共の場で、許可なく物やサービスを売る行為への罰金を引き上げる内容で、2026年7月に市議会の議長が出しました。その議長の選挙区にはワイキキが含まれています。

9月9日の水曜日、この議案は2回目の採決を通りました。ホノルル市議会の条例は3回の採決を経て決まる仕組みなので、残るのは最後の1回です。採決で反対は出ませんでしたが、3人の議員は留保をつけたうえでの賛成だった、と伝えられています。議案が掲げている狙いとしては、許可のない販売を思いとどまらせ、歩く人がきちんと通れるようにする、といった内容が挙げられています。

Honolulu City Council advances sharp increase in fines for unlawful peddling | Honolulu Star-Advertiser

Honolulu City Council advances sharp increase in fines for unlawful peddling | Honolulu Star-Advertiser

Honolulu City Council legislation that would significantly increase fines for unlawful peddling violations in public places has advanced, despite questions from some Council members about how effectively the current law is being enforced.

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Honolulu Star-Advertiser

罰金は100ドルから500ドルへ

罰金の額は、違反の回数で三段階に分かれています。

違反の回数現行改定案
1回目100ドル500ドル
2年以内の2回目250ドル750ドル
2年以内の3回目以降500〜1,000ドル(元記事による)1,000ドル

1回目がいきなり5倍です。2回目・3回目の額が上がるのは「2年以内にまた見つかったら」という条件つきなので、間が空けば、また1回目の扱いに戻る、と読めます。

ここで挙げている額は、あくまで議案の中身として報じられているものです。最後の採決が残っていますし、いつから適用されるのかまでは、今回読んだ記事には出ていませんでした。

そもそも、どこで売ってはいけないことになっているのか

罰金の話ばかり追いかけていると見落としがちですが、そもそも「ここでは売ってはいけない」と決められている場所があります。元記事によると、区域として挙がっているのは次のあたりです。

  • パリ・ハイウェイ(Pali Highway)の一部
  • ダイヤモンドヘッド・ロード(Diamond Head Road)
  • フォートストリート・モール(Fort Street Mall)
  • ユニオンストリート・モール(Union Street Mall)
  • ワイメア湾(Waimea Bay)
  • チャイナタウン(Chinatown)
  • ワイキキ一帯(Waikīkī Peninsula)

見ていくと、旅行で来た人がよく歩く場所がそのまま並んでいます。私たちがふだん足を運ぶのはこの中だとワイキキだけですが、ダイヤモンドヘッド・ロードやワイメア湾のように、観光で人が集まるところは一通り入っているようです。

許可を取って売っている人がいないわけではありません。元記事によると、許可を出しているのは市の Department of Customer Services(市民サービス局)で、出ている許可は49件、料金は1件60ドルです。とれたての農産物や花、レイを売る人と、60歳以上の人は許可が要らない、という例外もあるそうです。

60ドルの許可と、500ドルの罰金。二つの数字を並べてみると、ずいぶん差がついたなと思います。

歩道が塞がっていると、買い出しの帰りが地味にこたえる

この議案で我が家がいちばん実感を持って読んだのは、罰金の額ではなく「歩く人がきちんと通れるようにする」というところでした。

レンタカーを借りない私たちの場合、滞在中の買い物はほとんど歩きです。ビールは歩いて1〜2分のロングスドラッグス、食材の買い出しは歩いて15分ほどのワイキキマーケット。缶を何本か提げて帰る道で歩道が塞がっていると、車道寄りへ回り込むことになって、たいした距離ではないのに妙に疲れます。荷物が重い日ほどこたえるのは、たぶんどこの街でも同じだろうと思います。

もっとも、歩道が狭く感じる理由は売る人だけではありません。工事の囲い、路上に出た看板、立ち止まって写真を撮る人。いろいろが重なって、その日その日で歩きやすさが変わります。今回の議案はそのうちの一つに手を入れる話なので、通ったからといって歩道が急に広くなるわけではなさそうです。

「まず取り締まりの件数を見せてほしい」という声

議会で出ていたのが、罰金を上げる前に今の法律がどれだけ執行されているのかを見たい、という質問でした。ある議員は「特に自分の選挙区でどれだけの取り締まりが出ているのかを知りたかった」といった内容の発言をしています。

その数字も記事に出ていました。

警察が取り締まった件数(元記事による)
2023年50件
2024年15件
2025年68件

あわせて、迷惑行為としての通報は3年を通して年に115件から151件ほどあった、とのことです。通報の数に対して取り締まりの件数が少なめに見えるのと、年ごとの上下が大きいのが目を引きます。

額を上げれば止まるはずだ、という話と、そもそも取り締まる手が足りているのか、という話。並べてみると、どちらの言い分もわかる気がします。ルールを厳しくするのは決めれば済みますが、実際に動く人の数は決めただけでは増えないですから。

Aloha State Daily | Retailers say fines for illegal peddling are too low

Aloha State Daily | Retailers say fines for illegal peddling are too low

The Honolulu City Council is considering a bill that would increase the fines for unlawful peddling on Oʻahu.

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Aloha State Daily

お店の人たちが言っていること

議会には、お店を構えている人たちからも意見が出ています。

小売業の団体(Retail Merchants of Hawaii)は、正規のお店が家賃・税金・賃金・保険・光熱費・営業許可といった負担を抱えているのに対して、許可なく売る商売はそれを負っていない、という公平さの話をしています。罰金が低いままだと、同じ場所に戻ってきて同じことを繰り返すだけだ、といった内容のコメントも出していました。

ABCストアからも人が出て、歩道が塞がることと、決まりを守っているお店にとって不公平になることを述べています。私たちは晩酌のつまみを買いに時々ABCに寄るくらいですが、こういう場でお店の名前を見かけると、街の話として少し身近になります。

ホノルル市警からも意見が出ていて、今の罰金では「商売をするうえでの経費」として扱われてしまい、やめさせる力にならないといった内容でした。強引な売り方で旅行者がだまされる相談にもたびたび出くわしている、とのことです。

旅行で行くときに気をつけられること

こうして並べてみると、旅行で行く私たちにできることは案外少ないなと思いました。決まりを作るのも取り締まるのも市の仕事で、歩いている人ができるのは、声をかけられたときに立ち止まらずに歩き続けることくらいです。

そのうえで、押さえておくと安心なことを並べておきます。

  • 今回の議案で対象になっているのは、市の道路・歩道・モールなどの公共の場で許可なく売る行為です。お店やフードトラックの営業の話ではなさそうなので、いつも使っているお店が変わるわけではないと思います
  • 路上でその場限りの買い物をすると、あとから何かあっても、たずねていく先がありません。買い物はお店で済ませるのが確実です
  • 議案はまだ最後の採決を残しています。ここで挙げた額も区域も、2026年9月18日時点の報道で確かめた内容です

現地で戸惑ったときの逃げ道として、買い物はロングスやワイキキマーケットのような近所のお店で、と決めてしまうのは悪くないやり方だと思います。私たちはもともと買い出しの行き先が数軒に固まっているので、路上で何かを買う機会がほとんどありません。

私たちはこう読みました

この議案が通っても通らなくても、午後3時か4時に部屋で飲み始めるいつもの過ごし方は変わりません。夜に飲みに出ることもないので、暗くなってからの歩道の様子も、あまり見ていないほうです。

それでも、缶を提げて帰る昼下がりの歩道が少しでも歩きやすくなるなら、素直にありがたいと思います。罰金の額が5倍になったという見出しよりも、許可が49件で60ドルだったこと、取り締まりが50件・15件・68件と上下していたことのほうが、読んだあとに残りました。数字が並ぶと、街の事情がなんとなく見えてきます。

最後の採決がいつになるのかは、今回読んだ記事には出ていませんでした。決まったころにまたワイキキを歩いて、歩道の様子がどう変わったかを見てみたいと思います。

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