IATAが緊急脱出時「手荷物は置いて」と呼びかけ ― 荷物が少ない私たちが「機内で身につけておくもの」を考えてみました
飛行機の緊急脱出のとき、機内に持ち込んだ荷物は置いて逃げてください ― IATA(国際航空運送協会)が6月8日に、そんな呼びかけを始めました。「Save a Life, Not a Bag(荷物ではなく命を救って)」という名前のキャンペーンです。脱出のときに一人が荷物を取ろうと立ち止まるだけで、後ろの人みんなの逃げ足が遅れてしまう、という話なんですよね。荷物が少ないのだけが取り柄のような私たちでも、これは一度きちんと考えておきたいなと思って、夫婦でじっくり読んでみました。
ニュースのあらまし
緊急脱出時「手荷物置いて」1個でも全員に影響、IATAが注意喚起
IATAが立ち上げたのは「Save a Life, Not a Bag」という安全キャンペーンで、現地時間の6月8日に発表されました。欧州航空安全庁(EASA、ヨーロッパの航空安全をまとめる機関)や米国連邦航空局(FAA、アメリカの航空当局)も後押ししています。
中身はシンプルで、緊急脱出のときは機内持ち込みの手荷物をすべて置いて、速やかに逃げてくださいという呼びかけです。飛行機の脱出の手順は「90秒ですべての乗客が脱出できる」という安全基準を前提に作られているそうで、その90秒のなかでは1秒1秒がとても重い、という前提があります。
そこで荷物を1個でも持ち出そうとすると、通路や出口をふさいだり、人が転んだり、脱出スライドを傷つけたり、出口の誘導灯が見えにくくなったりする。つまり「自分の荷物1個」が、機内にいる全員の安全な脱出に影響しかねないというわけですね。
IATAがアメリカ・イギリス・UAE(アラブ首長国連邦)・シンガポールの4つの市場で乗客に聞いたところ、緊急脱出のときに何をすべきか「知っている」と答えた人は80%。ところが「私物は全部置いて機外へ出る」と正しく答えられた人は61%にとどまったそうです。さらに、指示されても荷物を持ち出す、あるいは持ち出す人につられてしまう可能性がある人が10人に1人ほどいる、という結果も出ています。
呼びかけとしては、①大事な小物は離着陸の前に身につけておく、②乗務員の指示に従ってすべての手荷物を機内に残す、③立ち止まらずに最寄りの使える出口へ急ぐ、という3点が柱になっています。
脱出のときに置いていく荷物が、そもそも少ない私たち
このニュースを読んで最初に思ったのは、「うちの場合、置いていく荷物がそもそも少ないなぁ」ということでした。
我が家が飛行機に持ち込むのは、夫がリュック1つ、奥さんがトートバッグ1つだけ。キャリーケースを機内まで持ち込むこともなく、これでほぼ事足りています。荷物を増やさないのは、単に重いものを運ぶのが面倒だから、という理由なんですけれど、こういうニュースを読むと、軽くしておいてよかったなと思える場面でもありますね。
機内持ち込みの荷物については、ちょうど少し前にANAの「身の回り品」のサイズが7月から変わる話を書いたばかりでした。あのときも「荷物が少ない私たちは慌てずに済みそう」と書きましたが、今回の脱出の話まで含めて考えると、持ち込む荷物が少ないこと自体が、いざというときに身軽でいられる安心につながるのかもしれません。たくさん詰め込んでいると、それだけ「置いていく決心」も重くなりそうですから。
「貴重品は離着陸前に身につけておく」は、たしかにそうだなと思いました
今回のIATAの呼びかけのなかで、いちばん自分たちの行動に直結するなと感じたのが、「大事な小物は離着陸の前に身につけておく」という1点でした。
我が家は、iPhone・iPad・モバイルバッテリー・充電ケーブルといった電子機器を、まとめて夫のリュックに入れて足元に置いています。長距離のフライト中も手元にあると安心なので、ずっとそうしてきました。電子機器の持ち方については、機内のモバイルバッテリーのルールが変わった話のときにも書きましたが、基本は「全部リュックにまとめておく」というやり方です。
ただ、今回の呼びかけを踏まえると、本当に逃げなければいけない場面では、そのリュックごと置いていくことになるわけですよね。そうなると、リュックの中にパスポートやスマホまで全部入っていたら、置いていくのをためらってしまいそうです。
なので、離着陸のときくらいは、パスポートとスマホだけはポケットや身につけられる場所に移しておく、というのは確かにそのとおりだなと思いました。これなら、リュックを置いて逃げても、最低限の連絡手段と身分証だけは手元に残ります。次のフライトから、離着陸の前にこのひと手間を入れておこうと夫婦で話しました。
頭ではわかっていても、つい手が伸びそうになる
正直に言うと、いちばん怖いなと思ったのは、「知っている」と答えた人が80%もいるのに、正しく「全部置いていく」と答えられた人は61%だった、という数字でした。
知識としては「荷物は置いていくもの」と分かっていても、いざその場になると、つい大事なものに手が伸びてしまう人が一定数いる、ということなんですよね。私たちも、頭では分かっていても、足元のリュックにiPhoneもiPadもパスポートも入っていたら、とっさに「あれだけは…」と手を伸ばしてしまわないとは言い切れません。
10人に1人は、指示されても荷物を持ち出してしまう、あるいは持ち出す人につられてしまう可能性がある、というのも、人間らしいといえば人間らしい話だなと感じます。だからこそ、その場の判断に任せるのではなく、「離着陸前にパスポートとスマホを身につけておく」という準備を先に済ませておくのが効いてくるのだと思います。とっさに手を伸ばす必要がない状態を、あらかじめ作っておく、ということですね。
次にハワイ便に乗るときに意識しておきたいこと
私たちは時間に余裕を持って動く方で、空港にも早めに着くようにしています。以前、JALの「時間が来たら お待ちしません」という呼びかけの話を書いたときにも触れましたが、慌てないで済むように先回りしておくのが、夫婦そろっての性分なんですよね。
緊急脱出の話も、結局は同じだなと思います。その場で慌てて判断するのではなく、離着陸の前にパスポートとスマホだけ身につけて、いざとなったら荷物は置いて逃げる。この準備と覚悟を先に決めておけば、あとは乗務員さんの指示に従うだけです。
幸い、こういう脱出が必要になる場面に出くわしたことは一度もありませんし、これからもないことを願っています。それでも、次にハワイ便に乗るときは、シートベルトを締めるのと同じくらい自然に、パスポートとスマホを手元のポケットへ移しておこうと思います。荷物が少ないのが取り柄の私たちにとっては、たぶんいちばん無理なくできる備えですから。
スポンサーリンク
広告なしで読みたい方へ
note メンバーシップ「出不精夫婦のハワイ通信 余談つき版」にご加入いただくと、 本ブログと同じ記事を 広告なし + 記事ごとの 編集後記つき でお読みいただけます。 月額500円、いつでも退会できます。
note メンバーシップを見る