ホノルルの鉄道「スカイライン」を、いまの終点予定のカカアコからアラモアナまで、反対側はカポレイの奥まで延ばす案が出てきました。鉄道を進めているHART(ホノルル高速輸送公社)の小委員会がまとめた案で、市長も両方向への延伸を後押ししている、と地元メディアのCivil Beatが伝えています。私たちはハワイに行くとワイキキとアラモアナの間で過ごすことがほとんどなので、「アラモアナ」の文字が出てきた時点で、つい最後まで読んでしまいました。ただ、読み終えて我が家の行き来を思い浮かべると、うれしい話とまだ遠い話が半分ずつ、というのが本音です。
ニュースのあらまし
New $4 Billion Plan Aims To Extend Honolulu Rail Line
A subcommittee of HART tentatively endorses extending the Skyline system to Ala Moana Center and to Ka Makana Aliʻi shopping center in Kapolei.
Civil Beatの記事によると、HARTの理事会がつくった小委員会が、スカイラインを東はアラモアナ、西はカポレイのショッピングセンター「カ・マカナ・アリイ(Ka Makana Aliʻi)」の近くまで延ばす案を、ひとまず支持する形でまとめました。小委員会には、理事を兼ねる市と州の交通の担当トップも入っています。
記事に出ていたおもな点を並べると、こうなります。
- 延ばすのは東西の2か所で、費用は合わせて最大48億ドルほどと見積もられている
- まずは延伸が成り立つかどうかを調べる調査から始め、成り立つと分かれば設計・計画・工事へ進む、という順番を勧めている
- ホノルル市長のRick Blangiardiさんは、9月29日付けの手紙で両方向への延伸を支持している
- 州の計画部局も、この案を後押ししている
- 報告書は、10月23日(現地)に開かれたHARTの理事会に出される予定と伝えられていた
いつ着工して、いつ完成するのか、お金をどう工面するのかは、記事の中でも「はっきりしない」とされていました。現時点では、あくまで「こういう方向で進めたい」という案の段階です。
いまのスカイラインはどこまで走っているのか
延ばす話の前に、いまの状態をおさらいしておきます。
Civil Beatによると、スカイラインは西の端のイースト・カポレイからミドルストリートまでの区間がすでに開いています。市の交通局のスカイラインのページでも、空港の駅が乗り継ぎの場所として案内されていて、空港までは鉄道が来ていることが分かります。
一方、この先の都心部への区間は工事中です。HARTのサイトでは、カカアコのCivic Center駅までを今の工事の範囲としていて、運行の準備が整う目標を2031年3月としています。Civil Beatの記事では、今の計画の全線が開くのは2032年になるかもしれない、とHARTのトップが今年6月に認めていた、と伝えていました。
| 区間 | いまの状態 |
|---|---|
| イースト・カポレイ〜ミドルストリート(空港の駅を含む) | 開業済み(Civil Beat・市の案内による) |
| ミドルストリート〜カカアコ(Civic Center駅) | 工事中・運行準備の目標は2031年3月(HARTのサイトによる) |
| カカアコ〜アラモアナ | 今回の延伸案(Civil Beatによる) |
| カポレイの奥(カ・マカナ・アリイ近く) | 今回の延伸案(Civil Beatによる) |
もともとは、アラモアナセンターまでつなぐ計画でした。それが費用の膨らみで予算に収まらなくなり、終点をカカアコに縮めた、というのがCivil Beatの説明です。今回の案は、いったん外したアラモアナまでの区間をもう一度つなぎ直そう、という話でもあるわけですね。
延ばす案の中身を区間ごとに見ると
Civil Beatに出ていた区間ごとの数字を、表にまとめました(どれも小委員会の見積もりとして記事に書かれていたものです)。
| 延ばす区間 | 長さ・駅 | 見積もりの費用 |
|---|---|---|
| カカアコ〜アラモアナ(東) | 高架で約1.2マイル(約1.9キロ)・新しい駅が2つ | 22億〜25億ドル |
| カポレイ(西) | 高架を約1マイル(約1.6キロ)延ばし、カ・マカナ・アリイ近くに駅を1つ | 20億〜23億ドル |
東のアラモアナまでは、カカアコを抜けて約1.9キロで駅が2つ。距離だけ見ると短いのに、費用は20億ドルを超えています。都心の高架の工事がどれだけ大がかりなのか、数字を並べて改めて実感しました。
お金はどこから出すのか
気になるのはやっぱりお金の話です。
Civil Beatの記事では、資金の集め方として6つほどの案が挙がっていて、いちばん分かりやすいのは「鉄道のための税金の上乗せを延長してもらう」案だとしています。ホノルルで売られる品物やサービスには、鉄道のために0.5%の税金が上乗せされていて、年に約3億6,000万ドルを集め、いま工事中の路線の費用の大部分をまかなっています。
ところが、この上乗せは2030年の終わりで期限が切れる予定です。延長するには州議会で決める必要があり、議会は1月に始まります。州の上院の議長は、上院の民主党が11月3日の選挙のあと、来月はじめの会合で来年の優先課題を話し合う、と声明で述べています。また、下院の財政委員長は延長するかどうかは「まだ分からない」といった内容のコメントを出しています。
この上乗せは、オアフでの買い物そのものにかかる税金です。ということは、滞在中にスーパーでビールやワインを買うたびに、旅行者の私たちも少しずつ鉄道の費用を出していることになりそうです。乗っていなくても払っているのか、と思うと、ちょっと不思議な気持ちになりました。
アラモアナまで来たら、私たちは乗るのか
ここからは我が家の話です。
アラモアナへ行く日は、たぶん今までどおり
私たちが滞在中に行き来するのは、ほぼワイキキの周りとアラモアナセンターまで。アラモアナへはピンクトロリーで行っています。今回の延伸案はカカアコからアラモアナへ延ばす話なので、ワイキキから見ると反対の方向から鉄道が来る形になります。つまり、ワイキキからアラモアナへ行く日の行き方は、たぶん今までどおりトロリーのままです。
空港から来る日はどうか
空港からは、いつもUberかLyftで部屋の近くまで直行しています。スーツケースを持って乗り換えるのは、それだけで一日の疲れが倍になる気がするんですよね。
もしアラモアナまで鉄道がつながると、空港の駅から乗り換えなしでアラモアナまでは来られるようになります。荷物が少ない旅をする方や、アラモアナの近くに泊まる方には、選べる手がひとつ増える話です。ワイキキに泊まる私たちの場合は、アラモアナで降りたあとにもうひと乗り換えが要るので、空港からの行き方はやっぱり車のままになりそうです。
荷物が少なめでバスに抵抗がない方なら、空港とワイキキを結ぶTheBusの急行「Wライン」という手も、すでにあります。
今回の案に、ワイキキは入っていない
Civil Beatの記事を読むかぎり、今回の延伸案にワイキキは入っていません。記事には、関係者からハワイ大学マノア校までの延伸を支持する声が何度も出ていた、という話はありましたが、それも今回の案そのものには含まれていないようでした。
正直なところ、ワイキキまで鉄道が来るなら、私たちも喜んで乗ると思います。カラカウア通りのあたりから空港まで乗り換えなしで行けるなら、帰りの日の気分がだいぶ違いそうです。とはいえ、カカアコまでの区間でさえ開くのは2030年代に入ってから。ワイキキまで延ばす案は6月に出た別の報告書で見積もりまで出ていましたが、今回の案には残りませんでした。ワイキキに鉄道が来る日は、まだずっと先になりそうです。
まとめ
| ポイント | 中身 |
|---|---|
| 何が出てきたか | スカイラインをアラモアナとカポレイの両方へ延ばす案(HARTの小委員会がまとめた・Civil Beatによる) |
| いまの状態 | イースト・カポレイ〜ミドルストリートが開業済み。カカアコのCivic Center駅までは工事中 |
| これから | まず延伸が成り立つかの調査から。着工や完成の時期は決まっていない |
| お金 | 鉄道のための0.5%の税金の上乗せが頼り。期限は2030年末で、延長は州議会しだい |
| ワイキキ | 今回の案には入っていない |
アラモアナまで鉄道が戻ってくるかもしれない、というのは、トロリーで通っている身としては素直に面白いニュースでした。私たちの行き来はすぐには変わりませんが、路線図にアラモアナの名前が戻ってくるかどうかは、これからも気にして読んでいこうと思います。それまでは、いつものようにロングスで冷えたビールを買って、部屋で続報を待つことにします。










