ANAとIHGが本気の提携。ダイヤモンドが自動で68泊相当・ダブルディップ・相互交換まで揃ったけど、ヒルトン派は乗り換える?
4月22日、ANAとIHGホテルズ&リゾーツが包括的ロイヤルティ・パートナーシップを結んだと発表しました。読んでみたら、これがなかなか踏み込んだ内容で、ちょっと面白かったので取り上げておきます。
ANAとIHG、訪日客へ特典プログラム マイレージ会員にホテル優待
発表のポイントをざっくり並べるとこんな感じです。
- ステータスマッチ: AMC(ANAマイレージクラブ)の各ステータスが、IHGワンリワーズの「年間宿泊泊数」として加算される形で付与される。ダイヤモンド+Moreは68泊分、ダイヤモンドは38泊分、プラチナは20泊分、ブロンズは10泊分。ダイヤモンド+Moreはあと2泊でIHGダイヤモンド到達。
- ダブルディップ: ANA便名が付いた海外発旅程の国際線利用時に、ANAマイルとIHGワンリワーズポイントを二重取りできる(日本発は対象外、NH便のみ)。
- 相互交換: 従来はIHGポイント→ANAマイルの一方通行だったのが、ANAマイル→IHGポイントの交換も可能になる。
- 開始時期: 2026年10月以降に順次提供予定。
- AMC会員数は約4,700万人、IHGワンリワーズ会員数は1億6,000万人超。
条件面だけ見ると、マイル・ポイント運用界隈ではここ最近見た中でもかなり踏み込んだ提携内容だと思います。ステータスマッチで「ほぼ年間宿泊数をフルで積んだ扱い」になる提携は珍しい。
第一印象は「お、強い。でも…うち、ヒルトンだ」
ニュースを見て最初に頭に浮かんだのは、単純に「内容は強いな」でした。ダイヤモンド+Moreなら、あと2泊どこかのIHGに泊まるだけでIHGダイヤモンドが取れることになります。ダイヤモンド会員なら38泊分がいきなり加算。普通に考えたらありがたい話です。
ただ、そこからほぼ同時に「うちヒルトン・HGVで組んでるんだよな…」という事実が脳裏に浮かんできて、一気にテンションが落ち着いたんですよね(笑)。
私たちはハワイでの滞在は基本的にHGVのタイムシェア一択で、国内のホテル滞在もヒルトン・オナーズ側に寄せています。エグゼクティブラウンジ目当てでそもそもヒルトンを選んでいるくらいなので、今から軸足をIHG側に移すモチベーションがほぼないんです。
ステータスだけ無料で取れても、結局泊まる回数が少なければ特典を使い切れない。かつて分不相応な高年会費のクレジットカードをステータスに惹かれて持っていて、ほぼ使いこなせず解約した過去があるので、「使わないステータスは持たない」というのが私たちの中では地味に重要なルールになっています。
本当に嬉しいのはどの層かを考える
今回の提携、真正面から効くのは以下のような人だと思います。
- すでにIHG(ANAインターコンチネンタル東京、ホリデイ・イン、クラウンプラザ、ホテルインディゴ等)によく泊まっていて、ANAマイルも貯めている人
- ホテルチェーンをまだ固定していなくて、これから1本に絞ろうとしているANA会員
- 海外出張が多く、海外発のNH便でダブルディップの恩恵を最大化できる人
逆に、私たちのようにヒルトン側でコミットしてしまっている派は、「優秀な話だけど、乗り換える理由にはならない」というクールな距離感になる気がします。ヒルトン・オナーズのダイヤモンドとIHGダイヤモンドを両方本気で維持するとなると、今度は宿泊回数の取り合いになって両方とも中途半端になりそうですし。
地味に美味しいのは「マイル→IHGポイント」への交換が開いたこと
冷静に見て、今回の発表で私たちにも直接の恩恵がありそうなのは相互交換の双方向化です。
これまで「IHGポイント→ANAマイル」は可能でしたが、逆方向は塞がれていました。今回、ANAマイル→IHGポイントのルートが開通することで、マイルの出口が一つ増えた形です。
ハワイ線の特典航空券(ホヌのプレエコ2席)のためにマイルは死守する方針なので、普段から積極的にこの交換を使う予定はありません。ただ、ANAマイルには有効期限があるので、特典航空券以外の使い道がもう1系統増えたこと自体はありがたい。万が一「使い切れずに失効しそう」な局面が来たら、IHGポイントに逃がして何泊かに充てる、という非常口として頭の片隅に置いておく感じになりそうです。
とはいえ、マイル→ホテルポイントへの交換はだいたい交換レートが悪いのが定番なので、具体的な交換レートが発表されてからが本番です。ここはまだ「10月以降、順次詳細発表」とのことなので、様子見。
ダブルディップは「海外発のNH便」限定というのが曲者
ダブルディップの条件、海外発旅程のNH便(ANA便名)のみという制約はちょっと癖があります。
私たちのハワイ行きは基本「日本発 → 特典航空券でホヌ」なので、そもそも現金搭乗ではないし、日本発なのでダブルディップ対象外。ダブルディップは私たちの運用とはきれいに噛み合わないことになります。
これが効くのは、例えば「ハワイ発日本行きを現金で買う」とか「欧米出張で海外都市を拠点にANA便を使う」といった、かなり特殊なパターン。訪日客向けに刺しにいった提携っぽい構成なので、会員数1億6,000万人超のIHG側の動線をANAに呼び込む意図が色濃く出ているように見えます。
IHGのハワイ拠点との距離感
IHG系列のハワイのホテルというと、ワイキキにホリデイ・イン リゾート ワイキキ ビーチコマー、インターコンチネンタルのハナウマベイ方面(旧キャッスルリゾート群に一部IHG入り)などがあります。ビーチコマーはカラカウア通り沿いで立地自体は悪くないんですが、私たちはHGVのキッチンで部屋飲みしている時間が最高なので、ホテル泊に切り替える発想があまり起きない。
IHG側のダイヤモンド特典(客室アップグレード、レイトチェックアウト等)自体は魅力的なんですが、ハワイで使う機会がそもそも発生しないので、取ったところで宝の持ち腐れになりそう、というのが正直な感触です。
結論: 「見逃せる優秀なニュース」としてドライに処理
まとめると、ANAとIHGの提携内容は客観的には相当強い。ステータスマッチでいきなり68泊相当が積まれる提携なんて、そうそうありません。にもかかわらず、長年ヒルトン側で組んでしまっている私たちからすると、「ちゃんと優秀だと認めつつ、乗り換えはしない」という静かな結論になります。
自分たちに直接効きそうなのは、マイル→IHGポイントの交換ルートが開く一点くらい。それも交換レート次第で、非常口として頭に入れておく程度。ダブルディップは海外発NH便条件で、私たちの運用には噛み合わず。
たくさんもらえるキャンペーンがあっても、これ以上カードを増やさない・ホテルチェーンを増やさないというのが、自分たちが見栄を捨てて辿り着いた運用スタンスなので、ここも今回はその方針に従って淡々と見送り、ということになりそうです。
もし読んでいる方で「まだホテル側のチェーンを決めきれていない」「ANAで貯めているしIHGに寄せてもいい」という状態の人がいたら、この10月のスタートは結構大きなチャンスだと思います。各自の手札との相性次第で、価値が大きく変わる提携だなというのが、今日のところの感想です。