ワイキキのシルク・ドゥ・ソレイユ『’Auana』が全編ハワイ語の曲をリリース ― 歩いて観に行ったあの夜の余韻が、音になって戻ってきました
ワイキキで常設公演されているシルク・ドゥ・ソレイユの『’Auana(アウアナ)』が、全編ハワイ語で歌われる楽曲「Kele ka Moana」をリリースしました。7月にはフルサウンドトラックも出るそうです。実はこの『’Auana』、私たちもワイキキ滞在中に歩いて観に行った1本で、あの夜の「アクロバットだけじゃなくて、ハワイの物語や言葉が丁寧に乗っているなぁ」という印象が、そのまま形になったようなニュースでした。観光客の身で口を出す話でもないのですが、読んでいてうれしくなったので、あの夜のことを思い出しながら書いてみます。
ニュースのあらまし
シルク・ドゥ・ソレイユが、音楽レーベルの BMG と組んで「Kele ka Moana」という曲を出しました。歌詞は全編ハワイ語で、フルサウンドトラックは7月に予定されているそうです。
Did This Just Make Waikiki's Cirque Show 'Auana The Most Hawaiian Thing On Stage?
Cirque du Soleil built its first show around Hawaii and just released music sung entirely in Hawaiian. We saw 'Auana, and the question of whether a global spectacle can carry a culture this well is more interesting than we expected.
この曲を含む『’Auana』は、シルク・ドゥ・ソレイユがハワイをテーマに作った初めての常設ショーです。作曲は Evan Duffy、ハワイ語の監修にはハワイ先住民の言語学者 Dr. Keao NeSmith、フラの振付にはクムフラ(フラの先生)の Hiwa Vaughan、衣装には Manaola Yap、文化面のプロデューサーに Aaron J. Sala と、地元ハワイの作り手がしっかり関わっているのが特徴です。世界的なエンターテインメントの会社が、外から借りてきた「ハワイ風」ではなく、現地の人たちと一緒に言葉や文化を真ん中に置いている、というのが今回のニュースの芯だと感じました。
私たちが観た『’Auana』は、こういうショーでした
会場はワイキキの OUTRIGGER Waikiki Beachcomber Hotel の中にある、784席のこぢんまりした劇場です。上演時間は休憩なしで80分ほど、8つの章に分かれていて、マウイの神話やヒナ、海を渡る航海の物語といったハワイの題材が下敷きになっています。
観る前は「シルク・ドゥ・ソレイユだから、すごいアクロバットを観るんだろうな」くらいの気持ちでした。もちろん身体技の見せ場もあるのですが、観終わって一番残ったのは、派手さよりもハワイの物語や音楽が持つ静かな深みの方でした。劇場が大きすぎないおかげで、舞台との距離が近くて、ハワイをテーマにした世界にすっと入っていける感じがあったんですよね。歩いて行ける場所で、こういう密度のショーが観られるというのは、ワイキキ滞在の楽しみとして大きいなと夫婦で話したのを覚えています。
全編ハワイ語の曲、という意味
今回出た「Kele ka Moana」が全編ハワイ語、というのが個人的には一番ぐっと来ました。観光客向けのショーだと、ハワイらしさを雰囲気だけ借りて、中身は英語でサラッと、というものも世の中には少なくありません。そんな中で、わざわざ言葉の監修に先住民の言語学者を入れて、歌をハワイ語で通すというのは、手間も覚悟もいることだと思います。
世界的なショーは、どうしても「商売としてどう成り立たせるか」と「文化をどう大事に扱うか」のあいだで揺れるものなのでしょう。今回の曲のリリースは、その二つは両立できるんだ、という一つの答えのように見えました。我が家はハワイの文化を語れるような立場ではありませんが、旅行者として、こういう丁寧な作り方をされたものに触れられるのは、ありがたいことだなと思います。
歩いて行けて、80分。観劇としての気軽さ
値段の話もしておきます。チケットは$86くらいからで、一番前の列だと$232ほど。ハワイに住んでいる人向けの「カマアイナ割引(地元住民向けの割引)」が30%オフ、金曜夜の回には「アロハ・フライデー割引」が20%オフ、という設定もあるようです。
私たちのような旅行者にはカマアイナ割引は使えませんが、それでも基本の価格は、観劇に出かける夜としては手が届く範囲だと感じます。シルク・ドゥ・ソレイユのチケットはどこで観ても$100前後/人くらいが普通なので、夫婦で出かけてもそこまで気負う金額ではありません。なにより、歩いて行けて、80分でサクッと観られる、というのが我が家には合っています。だらだら長丁場のイベントより、密度が高くて短いものの方が、出不精には向いているんですよね。
サウンドトラックで、あの夜を持ち帰る
7月にフルサウンドトラックが出る、というのが、今回一番楽しみにしている点です。ショーは観た後にその場で消えてしまうものですが、音だけは持って帰れます。日本に戻ってから、家でこのサウンドトラックをかければ、あのワイキキの小さな劇場で観た夜の余韻を、もう一度なぞれるわけです。お土産に重い荷物を増やさなくても、音でハワイを持ち帰れるというのは、うちのスタイルにもちょうど合っています。
次にワイキキに滞在するときは、ハワイ語の曲が入った今の『’Auana』を、もう一度歩いて観に行ってもいいなと思っています。あの黙ってしまう80分を、また味わいに。
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