米航空各社の3月ジェット燃料費が前月比56%急増(ガロン$3.13)― ANA派+特典航空券派の私たちは燃油サーチャージとハワイ便供給の安定を遠めに眺める
米国の主要航空各社が3月にジェット燃料に使ったお金が、前月から56%も急増したというマクロ寄りのニュースを読みました。米国航空業界全体が燃料費の急上昇で苦しんでいる、というお話です。
U.S. airline jet fuel costs surge 56% in March | Honolulu Star-Advertiser
WASHINGTON >> Major U.S. passenger airlines spent just over $5 billion on jet fuel in March, up $1.8 billion or 56% from what they spent in February, the U.S. Transportation Department said today.
ニュースの要点
- 米国主要航空各社の3月のジェット燃料総支出は約50億ドル(2月から18億ドル増、前月比+56%)
- ガロン当たりの単価は$3.13(前月から74セント、+31%)
- 燃料使用量自体も+20%(運航量が増えている季節要因も重なる)
- 年比較では2025年3月の38.8億ドル → 2026年3月の50.6億ドル
- 背景には米国・イスラエル対イランの戦争とホルムズ海峡の輸送障害による世界石油市場の混乱
- 影響:
- Spirit Airlines:3〜4月で1億ドルの追加燃料コストを抱え、経営再建計画が崩れて土曜営業停止に
- Southwest Airlines:CEO Bob Jordan氏が燃料価格を深刻と認める
- Alaska Airlines:5億ドル(約$500M)の資金調達を検討中
- 業界の対応:運賃値上げ、手荷物料金引き上げ、路線縮小、低コスト航空各社が25億ドルの政府支援を要請(却下)
- 燃料費は航空各社の運営費の最大25%を占めるとのこと
私たちの立ち位置:ANA一択+ハワイ・メキシコは特典航空券派
これは米国航空業界全体の燃料費高騰のお話で、ANA一択を貫いている私たちには「直接の現金運賃が跳ねる」タイプの直撃ではありません。ハワイとメキシコの長距離便はマイルを使った特典航空券で押さえているので、運賃そのものの値上げ影響は受けにくい立ち位置にいます。
ただ、特典航空券だから完全に無風かというとそうでもなく、燃油サーチャージは別途現金で発生する別物です。マイル枠で席は確保できても、燃油サーチャージはその時々の燃料市況に連動して変わるので、原油・ジェット燃料が上がっている局面ではここの負担が地味に効いてきます。今回の3月の数字は米国航空各社のもので、ANAの数字そのものではないですが、世界全体のジェット燃料市況が同じ風を受けているのは間違いないので、自分たちのマイル運用の周辺コストとして横目で見ておきたい話です。
米系各社の不調はハワイ便供給に波及しうる
もう一つ気になるのが、米系航空各社の不調がハワイ便の供給そのものに効いてくる可能性です。
ハワイへ飛んでいるのは日本からのANA・JALだけではなく、米本土からハワイへ飛んでいるアメリカン・デルタ・ユナイテッド・ハワイアン・サウスウエスト・アラスカといった米系各社が大きな旅客の流れを担っています。直近でSpirit Airlinesの土曜営業停止、Alaska Airlinesの500M資金調達、Southwestの「燃料価格は深刻」発言と、米系の中堅〜大手で経営の話が立て続けに出ているのは、ハワイ便供給全体の安定性を考えると気持ちのいいニュースではありません。
私たちが乗るのはANAのフライングホヌのプレミアムエコノミーですが、米系の路線縮小やキャパ調整が起きると、現地ホノルル空港の混雑感、空港全体のスタッフ配置、ピンクトロリーや空港送迎の手配のしやすさといった、地上側の体験にじわじわと効いてくる可能性があります。観光客全体の流動が変われば、ホクラニ周辺の食堂やABCストアの客層・在庫の動きにも薄く波及するでしょうし、ハワイは結局アメリカの一州なので、米系航空業界の体力は私たちのハワイ滞在の摩擦ゼロ感に意外と関わってきます。
当面のスタンス:マイル主軸を守りつつ、燃油サーチャージは流動として受け止める
幸い、私たちのマイルの貯め方は外貨定期預金などの主軸でだいぶ太く確保できているので、ハワイ・メキシコの特典航空券のマイル枠そのものはこの局面でも維持できる見込みです。米系航空業界の苦境のニュースが続いても、私たちが特典航空券で押さえる席が直接消えるわけではないので、ここは安心して構えていられます。
一方、燃油サーチャージは流動的なコストとして、マイル運用と切り離して頭の中で別建てにしておきたいところ。「マイルは確保できているから安泰」と完全に油断するのではなく、サーチャージ部分は「その時々の世界市況に応じて変わる現金支出」として受け止めておくのが正解だと感じます。
国内線のスタンダード運賃も、年500万決済達成のための現金払いの一部として乗っていますが、こちらはANA国内線なので米系業界とは別の経済圏。とはいえ世界の燃料市況は無関係ではないので、今後ANA側で何かしらの動きがあれば、改めて記事として拾っていきたいと思います。
ハワイ便の安定供給と、ハワイ滞在の摩擦ゼロを担保しているのは、ANAだけでなく米系各社の体力でもある、というのを改めて感じたニュースでした。当面は外貨定期預金と決済集中でマイル軸を太くしつつ、燃油サーチャージとハワイ便供給の動向は、これからもゆっくり眺めていきたいと思います。