ザトウクジラ"Big Mama"、ハワイ越冬から3,000マイルの帰路 ― ホエールウォッチング未経験のワイキキ派が遠めに眺める


5月7日、Pacific Whale Watch Association(PWWA、太平洋ホエールウォッチ協会)が、ザトウクジラ”Big Mama”(個体ID: BCY0324)がハワイ越冬を終えてカナダBC州とワシントン州の境目あたりまで戻ってきた、と発表しました。冬のハワイから約3,000マイル(約4,800km)を泳ぎ切った帰り道。私たちと同じく「冬はハワイ」をやっていた個体が、もうSalish Sea(セイリッシュ海、米加国境にまたがる内海)に着いたわけです。

Famous humpback whale ‘Big Mama’ returns to Salish Sea after winter migration in Hawaiʻi | Maui Now

Famous humpback whale ‘Big Mama’ returns to Salish Sea after winter migration in Hawaiʻi | Maui Now

The Pacific Whale Watch Association announced today that iconic humpback whale BCY0324 “Big Mama” has safely returned to local waters after her winter migration in Hawaiʻi. The beloved whale swam roughly 3,000 miles from Hawaiʻi to Boundary Pass where she was seen between BC’s Moresby Island and Washington’s Stuart Island by PWWA member company Maya’s Legacy on Monday, May 4.

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| Famous humpback whale ‘Big Mama’ returns to Salish Sea after winter migration in Hawaiʻi

ニュースの事実

PWWAの発表によると、Big Mamaが目撃されたのは5月4日、Boundary Pass(BC州のMoresby島とワシントン州のStuart島の間)でホエールウォッチング船「MAYA’s Legacy」によるもの。1997年にVictoria沖で初めて確認されて以来、29年にわたって追い続けられてきた象徴的な個体です。確認できているだけで子クジラが8頭、孫やひ孫を含む系統全体では少なくとも20頭。PWWAのErin Gless事務局長はBig Mamaを「Simply put, she’s the whale who started it all(要は、すべての始まりのクジラ)」と表現していました。

ザトウクジラは季節で大移動する種で、夏は北の冷たい海で餌を取り、冬はハワイ・メキシコ・中米の暖かい海で繁殖と出産を行う、というのが基本的なリズム。Big Mamaも毎年その往復を続けていて、今年はハワイ越冬から無事に帰ってきた、というのが今回の発表でした。

「冬のハワイ」を共有しているのに、海から眺めることもしていない私たち

私たちはここ何年か、冬の時期にハワイで長めに過ごす機会がよくあります。ザトウクジラの繁殖シーズンと完全に重なる時期。ところが正直に言うと、ホエールウォッチングのボートに乗ったことが一度もありません

ワイキキ滞在ベースなので、本格的にクジラを見たいなら船を予約してマウイのラハイナ沖まで遠征する流れになります。それが王道。ただ我々は「ハワイに来てまで早朝集合・船酔いリスク・往復長時間移動」という組み合わせがどうも腰が重く、結局一度も予約したことがないままここまで来てしまいました。冬のオアフ滞在中に海を眺めていて、遠くにポツンと潮吹きが見えれば「あ、いるねぇ」と思う程度の付き合い方です。

そうやって自分たちが何もしていない間に、Big Mamaは3,000マイルを泳いで戻ってきた。同じ冬を共有しているはずなのに、こちらは数キロ圏内をぐるぐるしているだけ、向こうは太平洋を縦断している。並べてみると移動量の格差がすごいのですが、これはこれで面白いコントラストだなぁと感じます。

観に行く人がいるからこそデータが積み上がる

29年も同じ個体を追い続けて、子8頭・系統20頭以上というところまで把握できているのは、ホエールウォッチング船と研究者のネットワークがしっかり機能しているからこその話です。私たちのように船には乗らない人間からすれば、こうしたデータを見るたびに「ボートに乗って撮影し続けている人たちがいるおかげで、座って読むだけの私たちにもストーリーが届くんだなぁ」と思います。

クジラを観に行くスタイルが好きな人にとっては、冬から春のハワイ周辺は最高のシーズン。ラハイナ沖でブリーチ(海面ジャンプ)を生で見る感動は、行った人にしか味わえないと思います。私たちは今のところそこに踏み込む予定はないけれど、いつか「行ってみるか」となる日が来たら来たで、それはそれで楽しめそうな気もしています。

結論: 海を眺める時間が少しだけ豊かになるニュース

今回のニュースで嬉しかったのは、これからオアフのラナイから海を眺めるとき、「あの潮吹きの主は、もしかしたらBig Mamaの子か孫かもしれない」と思える小さな知識が増えたこと。ボートに乗らないままでも、知識が一段階増えるだけで眺める楽しみが少し変わる。出かけていない私たちでも受け取れる、ありがたいニュースでした。

Big Mamaは毎年この往復を繰り返すそうなので、また次の冬、ハワイのどこかでさり気なくすれ違っているかもしれません。

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出不精夫婦

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