マウイ4月の不動産統計、戸建販売30%減・コンドミニアム4.5%増 ― 価格も両方下落、市場滞在日数も伸びていてハワイ全体の空気感が読み取れる一報
マウイ郡で2026年4月の不動産統計が公表されていて、戸建住宅の販売件数が前年比30%減・コンドミニアムが4.5%増と、方向感がきれいに分かれた1ヶ月だったそうです。価格も中央値ベースで両方下落していて、市場に出てから売れるまでの日数も伸びている。我が家はマウイで物件を買うわけでも売るわけでもありませんが、ハワイ全体の空気感を読み取る素材として気になったので書いておきます。
ニュースのあらまし
Single-family home sales fall 30% in April; condo sales up 4.5% | Maui Now
Single-family home sales on Maui dropped sharply in April while the condominium market posted a modest year-over-year gain, according to data released Thursday by the Realtors Association of Maui.
データ提供はマウイ郡のリアルター協会(Realtors Association of Maui)。2026年5月8日(木)に公表された数値を整理すると次のとおりです。
戸建住宅(Single-family home):
- 販売件数: 49件(前年4月70件 → 30%減)
- 販売価格中央値: 129万ドル(前年137万7,500ドル → 6.4%減)
- 平均市場滞在日数: 138日(前年比 8.7%増)
- 総売上額: 7,380万ドル(前年比 42.7%減)
- 月末在庫: 442件(前年比 3%増、約7.7ヶ月分の供給量)
コンドミニアム(Condo):
- 販売件数: 70件(前年67件 → 4.5%増)
- 販売価格中央値: 65万1,250ドル(前年71万5,000ドル → 8.9%減)
- 平均市場滞在日数: 169日(前年比 17.4%増)
- 総売上額: 6,800万ドル(前年比 17.5%減)
- 月末在庫: 944件(前年比 2.5%増、約15.4ヶ月分の供給量)
戸建は件数も価格も両方落ちていて、コンドミニアムは件数こそ増えたものの価格は下落傾向。年初来(1〜4月)で見ても、戸建は前年と同じ226件で横ばい・中央値130万ドル弱、コンドは254件で前年比 8.5%増・中央値約70万ドルで前年比 8.8%減。件数の動きは違うのに、価格はどちらもじわっと下げているのが今回の数字の特徴ですね。
エリア別のハイライト
記事内ではエリア別の活発さも触れられていました:
- カアナパリ(西マウイ): コンド10件販売、中央値115万ドル
- キヘイ(南マウイ): 戸建13件(中央値130万ドル)・コンド27件(中央値約55万ドル)で4月最も活発な市場
- ワイレア/マケナ(高級ゾーン): コンド5件(中央値約197万ドル)・戸建2件(中央値325万ドル)
カアナパリはラハイナ寄りの西マウイの観光エリア、キヘイは南マウイで日本人観光客にもおなじみの滞在地、ワイレア/マケナはハイエンドリゾート帯。エリアごとの価格レンジの差がはっきり出ていて、マウイの中でも市場が一枚岩ではないことがよく分かります。
我が家は買い手でも売り手でもないけれど、空気感は読める
正直に書くと、私たちはマウイで物件を持っているわけでも、これから買うつもりがあるわけでもありません。ハワイの定宿はオアフ側のHGVリゾートで組んでいて、マウイには別のスタイルで滞在する仕組みを今のところ用意していない、というのが等身大の状況です。タイムシェアは私たちにとって「快適な滞在のための道具」であって、資産価値の値上がりを狙う対象でもない、というスタンスでもあります。
それでも、こういう不動産統計のニュースは普通に読み応えがあります。ハワイ全体の経済の動きがそのまま数字に出るからですね。今回の数字をフラットに読むと:
- 価格は戸建もコンドも下落方向(高止まりが少しずつ緩んでいる)
- 在庫は両方とも積み上がり(戸建で7.7ヶ月分、コンドで15.4ヶ月分は売り手から見るとかなり厚い)
- 市場滞在日数も伸びている(戸建138日・コンド169日)
要は「買い手がじっくり物件を選べる側に少し戻ってきている」マーケットの空気で、コロナ禍直後のような熱狂的な争奪戦からは一定の距離が生まれている、と読めるニュース。
戸建-30%/コンド+4.5%の二極化が興味深い
個人的に一番読み応えがあったのは、戸建とコンドミニアムで件数の方向感が逆を向いているところです。両方が同じだけ下がる/上がるなら「単に景気が冷えた/温まった」で片付くんですが、戸建は件数も価格も落ちていて、コンドは件数だけ増えて価格は落ちている。
私たちのような長期滞在者・タイムシェア利用者の視点で読むと、コンドミニアム側で件数が伸びているのは、「マウイで暮らす(持つ)コストとして、戸建よりコンドの方がハードルが低い」と判断する買い手が増えているということなのかな、と感じます。価格レンジでも戸建中央値約129万ドルに対してコンドは約65万ドルですから、ほぼ半分の予算で入れる。
ただ価格が落ちていることには別の文脈もあって、マウイは2023年8月のラハイナ大火の影響を未だに引きずっているエリアでもあります。観光業の戻り具合や保険・建築コストの状況が、不動産価格の頭を抑える要素として残っている可能性は高い。今回の統計だけで断定はできませんが、マウイの市況をオアフやハワイ島と並べて読むときには、この前提を頭に置いておきたいところです。
おわりに
マウイ郡の2026年4月不動産統計、戸建販売30%減・コンドミニアム4.5%増という方向感の違いと、価格・在庫・市場滞在日数まで含めた全体像のニュース。私たち自身が売買に絡む話ではありませんが、ハワイ全体の経済の落ち着き具合を数字で読める素材として、興味深い1ヶ月の数値でした。
価格が緩み、在庫が積み上がり、買い手が時間をかけて選べる側に動いている。短期的な値動きを追いかける性格のニュースではなく、ハワイの中長期の空気感として手元に置いておきたい1報です。