ハワイ観光業界の重鎮Mufi Hannemann氏(71)がHLTA退任発表 ― ワイキキ治安改善『Safe and Sound Waikiki』を主導した10年
ハワイ観光業界の重鎮、Mufi Hannemann氏(71歳)が、HLTA(Hawai’i Lodging and Tourism Association、ハワイ・ロッジング&ツーリズム協会)の代表・CEO退任を発表したというニュース。元ホノルル市長(2005-2010)、HLTA代表通算10年以上、年間予算$63M規模の業界団体トップとして、ワイキキ治安改善『Safe and Sound Waikiki』など多数のイニシアチブを主導してきた人。私たちのホクラニ周辺・歩ける範囲の滞在スタイルにも間接的に大きく影響してきた人物の節目で、読み入りました。
ニュースのあらまし
Mufi Hannemann to retire after leading HLTA in tough times | Honolulu Star-Advertiser
Mufi Hannemann, a former Honolulu mayor and longtime leader in Hawaii’s visitor industry, announced Saturday that he will retire as president and CEO of the Hawai‘i Lodging and Tourism Association after more than a decade at the helm.
退任の概要をざっくり整理すると:
- 退任発表: 2026年5月3日(土)、Visitor Industry Charity Walk(参加者約2,000人)の場で発表
- HLTA理事会への通知: 前日5月2日(金)
- 正式退任日: 後任選定後の経過期間を経て設定予定、当面は現職継続
- 後任候補: 未発表
Hannemann氏の経歴(超ざっくり):
- 71歳、ハーバード大学卒業、フルブライト奨学金受給者
- 元ホノルル市長(2005-2010)
- HLTA代表・CEO: 2011年1月〜2012年7月、2015年7月〜現在(通算10年以上)
- 2023年にJosh Green知事よりHTA(ハワイ観光局)関連の任命
- ホワイトハウスフェロー(当時副大統領George H.W. Bush配属)経験
- Pacific Century Fellowsアルムナイ500人以上を育成
HLTAは年間予算$63M、約80年の歴史を持つ業界団体
HLTAは約80年の歴史を持つハワイの観光宿泊業界団体で、メンバーにはホテル・レストラン・小売・アトラクション・小規模ビジネスが含まれる広い範囲の組織。Hannemann氏のリーダーシップの下で、組織名も「Hawaii Hotel & Lodging Association」から現在の「Hawai’i Lodging and Tourism Association」に拡大改名され、「Tourism is everyone’s business」(観光はみんなのビジネス)という考え方で、ホテル中心から多業種を巻き込む業界団体に進化してきました。
年間予算$63M(約95億円)というのは、業界団体としてはかなりの規模感。これだけの団体を10年以上率いた人の退任は、ハワイ観光業界全体の節目を象徴するニュースです。
ワイキキ治安改善『Safe and Sound Waikiki』が私たちにとっても効いていた
私たちのハワイ滞在はホクラニ周辺・歩ける範囲で完結する効率主義スタイルで、ロングスドラッグスやワイキキマーケットへの徒歩買い物、YardHouseやLA. Brisketへのご近所外食など、ワイキキエリア内を徒歩で動く時間がかなり多いのが普段のリズム。ということは、ワイキキの治安・歩きやすさが滞在体験の根幹にあるエリアなんですよね。
Hannemann氏が主導した『Safe and Sound Waikiki』は、薬物・アルコール関連犯罪、強盗、空き巣、器物損壊の大幅削減に取り組んできたイニシアチブで、Waikiki Improvement AssociationのRick Egged会長も「みんなで取り組んできたことだが、彼が始めた」「非常に成功した」と語っています。私たちのような「歩いて買い物・歩いて食事」を毎日繰り返す滞在者にとって、こういう治安改善の地味な土台が10年以上にわたって整えられてきたのは、本当にありがたい話。
ハワイ観光が好調に見える時期にも、見えないところで犯罪・治安・コミュニティの問題に向き合い続けてきた裏方の仕事が、滞在者の安心感に直結していたんだなぁと、退任ニュースで改めて感じました。
教育・奨学金プログラムも観光業界の人材を育てる土台に
Hannemann氏のもう一つの大きな仕事が、教育・奨学金プログラムの充実。具体的には:
- Ho’oilina Scholars: 4年間の大学奨学金、公立高校卒業生対象、HTA前CEO Chris Tatum氏との協力で創設
- Citizen-Scholar Awards: 高校生向けの表彰制度
- Na Po’e Pa’ahana Awards: 観光業界従事者の年間表彰、今年は約850人を表彰
- Generational Mentoring: 大学4年生向けのメンタリング制度
- Pacific Century Fellows: 500人以上のアルムナイを育成
「観光業界は人で動く産業」という基本に立ち返って、地元の若者が観光業界で長く働ける土台を作ることに10年以上投資してきたのは、ハワイの観光産業の長期的な健康度を底上げする意義のある仕事だと感じます。私たちが沖縄・ハワイのヒルトン系で受けるサービスの質感も、こうした教育・人材育成の積み重ねの上に成り立っている部分があるはずです。
退任発表のタイミングが「Charity Walk」だったことに、らしさを感じる
Hannemann氏が退任を発表したのが5月3日のVisitor Industry Charity Walk。約2,000人が集まり、昨年は約350万ドルの募金を集めたチャリティイベントで、観光業界が一堂に会する場での発表でした。「会議室での声明発表」ではなく「業界みんなが歩いて募金を集める日」を選んだあたりに、Hannemann氏らしい「人と人を繋ぐ」スタイルが出ているなぁと感じます。
退任後の予定としてはPacific Century Fellowsの活動に専念、Team Aloha(女子バスケット・Title IX推進)、太平洋島嶼地域の支援プロジェクトに取り組むとのこと。観光業界の表舞台からは降りても、地域への関わりは続けていく方向のようです。
おわりに
Mufi Hannemann氏のHLTA退任は、ハワイ観光業界の10年以上を象徴する節目のニュース。私たちのようなホクラニ周辺・歩ける範囲の滞在者にとっても、ワイキキの治安改善・観光業界の人材育成という地味だが根本的な仕事を支えてきた人の引退として、滞在者の私たちにも他人事ではない動きでした。
後任が誰になるかはまだ未発表ですが、HLTAという$63M規模の業界団体のリーダーシップが交代する流れの中で、ハワイ観光業界の次の10年がどう動いていくか、滞在者として穏やかに見守りたいなぁと感じる一報でした。